【グラブル】二翼の絆 ―番外編＆後日譚― (ページ47)

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～応援歌4～ページ47

「どうせ、あの歌だろう？」
「そういうことだ」
「あの歌…ですか？」

二人は同時にうなずくと、楽器を構える。合図もなしに同時に楽器を鳴らし、メロディーが紡がれる。そのメロディーは、今までのものとは違い、どこまでも澄んでおり、そしてどこまでも果てしなく続くようなメロディーだった。

「…？」

ふとルリアが振り返る。その背には白い羽がついていたが、メロディーに合わせて光り輝くのだった。

「ルシフェルさんも、喜んでます」

二人は真剣な表情で演奏し、そしてメロディーを奏でる。

「なんだか、私の中にいる星晶獣が元気です！」
「やっぱ天司の音楽ってすげぇんだな…」

演奏が終わるころには、Aとサンダルフォンは肩で息をしていた。そして、同時に楽器は消失する。

「あの…サンダルフォンさんも楽器弾けたんですね」
「むしろ、サンダルフォンのがうまい位じゃないか？楽器の顕現は僕のが得意だけど」
「じゃあ、色んな楽器できるのか？」
「いや、俺はヴァイオリンだけだよ。Aみたいに人間と戯れることもなかったからね」
「今のはなんて歌なんですか？」

ルリアの質問にAは懐かしむように答える。

「蒼き空、だよ」
「蒼き…空？」
「この歌は、空の広さや蒼さ、美しさを表してるんだ。考えたのはルシフェル様だよ」
「すごいです！皆さん歌がお上手なんですね！」
「いや…ルシフェル様は歌はそこまで上手くはなかったよ。けど、なぜかこのメロディーだけは僕もサンダルフォンも気に入ってて…で、僕が編曲したんだ」
「ルシフェルさんも、きっと嬉しかったですよね！」

ルリアの言葉にAもサンダルフォンも笑う。

「あの御方は、常に空の平和を願っていた。その願いがこの歌になったんだろうな」

サンダルフォンの言葉にAもうなずく。

「さぁ、音楽界は終わりだ」
「あの、また聴かせてくださいね」

ルリアはAとサンダルフォンに詰め寄り、頼む。

「ま、気が向いたらね」
「僕はもうしばらくはお断りだ」
「うぅ…せっかく綺麗でしたのに…ルシフェルさんの歌、まだまだ聴きたいです！」
「そうだぜ！また聴かせてくれよ」

ビィも加わり、ますます二人に詰め寄る。先に折れたのはサンダルフォンだった。

「仕方ない…」
「え、いや…僕は嫌だよ」
「何をいまさら！ここまで盛大に楽器ならしといてよ！」

ビィの視線をたどると、いつの間にか団員がAの部屋の前に集まっていた。