〜人間とは９〜 ページ41
「知りたかったから…です」
素直に答える。ミカエルもAの方をじっと見ている。ルシフェルが先を促すとAはゆっくりと話を始める。
「あなたがこの世界を愛すほどの…ミカエル達四大天司が尽くすほどの…サンダルフォンがあそこに囚われる理由があるほどの…何かを知りたかったんです」
「それで、わかったかな」
「いえ…わかったのは、サンダルフォンは力を持っていることを誇示したかったってことでした」
「聞いたのかな？」
「いえ…僕が思った事です」
「そうか」
ルシフェルはAをしばらく見つめる。
「A」
「はい」
「空にはね、人だけではなく君の司る植物、動物、たくさんのものがある。人間は欲深いかもしれない。それでも、誰かのために、と願い、弱いながらも支えあって生きるのはどうしてだと思う？」
「…わからないです」
「では、君はどうして危険を犯してまでサンダルフォンの元へ？」
「…どうして…知りたかった…？いや…会いたかった」
「そうだ。では、ミカエルが危ない目にあったら君はどうする」
「助けます」
「それは、なぜかな」
「それは…大切な人だからです」
「そうか」
ルシフェルは満足そうに笑う。ミカエルも、ホッとしたように表情を緩めた。
「君が私やミカエル、サンダルフォンに抱いている感情は愛情だ」
「愛情…」
「人間は、誰かに愛情を持ち、そして誰かを助けることで自分も救われている、そういう風にして人々はともに過ごしている」
「…しかし、人間は誰かを利用して生きている」
「そうだ。そこが人間の不完全なところだ。私達天司は何事も強大な力がある。しかし、人間は何かを持たない者がいる。それを補い合うことが利用というのなら、そうかもしれないね」
「…ルシフェル様」
「うん？」
「人間…いや、獣も…なぜ争うのですか」
Aの質問にルシフェルの表情が曇る。Aの考えていること、その一番の疑問であることはわかっていた。
「自分の目的を果たせば、例え大勢の人が喜ぼうとも、それで苦しむものは必ずいる。そうして我慢しても、どうしようもなくなる時が来る。感情を持つものは、何かを願うだろう。その願いを叶えられないとき、その思いが裏向きになる」
「…」
「君は、ミカエル達よりも、その事がわかるのでは？」
「…はい。わかりました」
Aはうつむき、唇をかみしめる。
「それではA、今回の事だが…」
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ミレン(プロフ) - こちらにコメントください！ぜひぜひお気軽に！！割と大真面目にお願いします（（ (2019年3月29日 16時) (
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月20日 23時
