【グラブル】二翼の絆 ―番外編＆後日譚― (ページ5)

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～籠の中の鳥２～ページ5

「…ッ！？」

剣は寸でのところで止まる。

「なんで…避けない」
「君からは殺意を感じないからね」
「でも、一歩間違えたら…」
「そうだ。でも君は止まった。私を脅かして逃げるつもりだったのでは？」
「…ハハ」

観念したように剣を消失させる。天司はその場で両手を挙げる。

「ん…？」
「僕を捕まえて廃棄するんだろ？」
「いや、そのつもりはないよ。私の直属の天司として働いてもらうよ。役割がないのなら作ればいい」
「…役割」

天司はその場で膝をつく。

「ついていきますよ、天司長」
「うん、期待しているよ」

その後、研究所に戻った天司は正式に直属へとなる。

「ところで、君の名前は？」
「失敗作に名前を付ける創造主はいませんよ」
「そうか…では、Aというのはどうだろうか」
「…構いませんよ」

少し照れくさそうに天司は言う。

「気に入ってもらえたなら何よりだ。では、四大天司にこの書類を届けて来てくれ」
「わかりました」

数日の間、ルシフェルの仕事を手伝っていたAだったが、ルシフェルの仕事の多さに自分のやれることの少なさを気づかされる。ある日、四大天司に書類を届けに行くと、広間で剣術の鍛錬をする天司に出会う。

「あぁ、Aか。ご苦労」
「ミカエル…それは剣か？」
「なんだ、貴様もやるか？ちょうど相手がほしかったところでな」
「い、いや…」
「遠慮はいらぬ。本気で来い」

あっという間に流され、勝負することとなる。始まった勝負はものの数秒で決着がつく。

「ぐあっ！」
「…A！大丈夫か！？」

ミカエルの一太刀をまともに受けてしまい、吹き飛ばされる。

「う…」
「すまぬ、怪我はないか？」
「大丈夫…だけど…」
「…どうかしたのか？」

落ち込んでいるAにミカエルは声をかける。

「僕は天司長の役に立ちたい…なのに、今のままじゃ何もできない…ミカエル！どうしたらいい！」
「どう…か」

質問にはすぐ答えられずにいる。すると、Aは剣をもう一度握りしめる。

「ミカエル！僕に修行をつけてほしい！」
「き、貴様にか！？」
「頼むから！！」
「わ、わかった…」

そうしてミカエルとAの修行が始まる。初めは素振りから、ということで剣の握り方から教えるミカエル。

「そこをそうして…これが基本だ。なれれば自分の持ち方にすればよいが…」
「は、はぁ…」
「では、振ってみろ」
「…でやっ！」