【グラブル】二翼の絆 ―番外編＆後日譚― (ページ4)

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～籠の中の鳥～ページ4

ルシフェルとAが初めて出会った物語
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無機質な研究室に呼び出されたルシフェルは、目の前にいる友の言葉に少々驚いていた。

「ルシフェル、お前に聞きたいことがある」
「どうかしたのか？友よ」
「新しくお前のスペアを作ったが、どういう訳か役に立たん。廃棄をしようと思う」
「私の…スペア？一度会わせてはくれないか」
「構わん。好きにしろ。欲しければくれてやる」

ルシファーはそれだけいうと、ルシフェルの元から去っていく。スペアのいる研究所へ向かうと、中ではただならぬ空気が漂っていた。

「何があった！」
「ル、ルシフェル様…新しく造られたのが力を暴走させていて手に終えません！」
「わかった。私に任せて君達は下がっていろ」

ルシフェルは、騒ぎの原因を見つける。まだ造られたばかりの、天司は怯えたようにルシフェルを睨み付ける。

「来るな……」
「どうした。私は敵ではない」

帯刀していたものを外し、敵意がないことを示す。しかし、目の前でおびえる天司は尚もルシフェルを睨み付ける。

「…どうしたものか」

ふと、目をそらすと天司は目にもとまらぬスピードで外へと脱走する。

「あっ！？あいつ逃げたぞ！！」
「すぐに所長に言ってこい！」
「待て！彼にはまだ黙っておいてくれ」
「し、しかし…」
「私が彼女を連れ戻すと約束しよう。それまで一切手を出さないでくれ」
「わかりました…」

不安そうな研究員をよそにルシフェルはスペアの天司を探す。気配ですぐにわかり、辿り着いたのは草原だった。そこで天司は木の下で子犬とじゃれついていた。

「…動物は好きなのか？」
「…ッ！？」
「そう怖がらないでくれないか。私は君の敵ではない」
「…あそこにいるヤツは、皆僕を失敗作だっていう！なぜだ！？僕が何をしたんだ！？」

天司は子犬を逃がすと、ゆっくりと後ろへと下がる。距離を取り、いかにして逃げようかという体勢にルシフェルは思わず吹き出す。

「なっ…」
「すまない。あまりにも怖がられてしまったみたいでね」
「…ッ」
「私の事は、知ってるかな？」
「天司長ルシフェル…」
「そうだ」
「そして僕がスペアとして働くはずだったヤツ…」
「ああ、そうだね」
「役立たずはいなくなって清々するだろ！？天司長サマは放っておいれくれよ！」

自らが顕現した剣で天司はルシフェルに向かい、突っ込む。その剣を受けようとしたところで、剣を置いてきたことに気が付くのであった。