〜珈琲とケーキと天司と10〜 ページ24
卵黄をしばらく見ていたAだったが、突然鍋を取り出すと、何やら作業を始める。
「な、なにをするんですか？」
「まぁ見てなよ」
卵をとかし、砂糖と合わせておく。その間に鍋にミルクを入れ、少し温めたところで火からおろし、卵液を入れる。
「あ、もしかしてプリンですか？」
「あぁ。そして、ジークフリートのアイディアをもらって…」
ヘクトアイズの体液を少量混ぜ込み、蒸していく。甘く立ち上る香りに、一行は恍惚の表情を浮かべる。
「さぁ、仕上げだ。さっきのアイスをいったん取り出してぐちゃぐちゃにする」
「はわ！な、なんでですか？」
「これを、飲み物にするんだよ」
ボウルに砕いたアイスを入れると、ミルクを少量ずつ加えながら混ぜていく。するとアイスはクリーム状になり、やがてとろりとした飲み物へとなるのだった。
「さぁ、できたよ。エレメンタルシェイクだ。あと、メイグイファの二色のムースに、ヘクトアイズの香る蒸し焼きプリン。ご賞味あれ」
「わ〜、いただきます！」
全員が緊張した面持ちでシェイクを飲む。
「ど、どうだ…？」
緊張しているのはAも同じで、声を出さない一向に不安を感じる。
「まずかったか…？」
「い、いえ…なんていうか…とってもおいしいです！」
「あぁ！こんなうまい飲み物、飲んだことねぇぜ！」
「はい〜、間違いなく、このファータグランデ空域にはない味です〜」
「このプリンもおいしいよ！」
「あぁ！それじゃ私はムースを…」
「オイラも！」
それからは勢いがついたようにAの生み出した菓子をほおばる。しかし、サンダルフォンは難しい顔をするのであった。
「…やはり、少し甘いのが多いな」
「え…？そうですか？」
「君達は甘いのが好きだからいいが、たまには塩気もほしいだろう。甘いものばかり増やしても、好みの問題もあるからね」
「そうか…塩気…ねぇ」
真剣に考え込む二人をよそに、ルリアとビィ、グランは食べきると、Aにお代わりをねだるのだった。
「シェロ、君はどうだい？」
「すみませ〜ん、このあと私はまだ行く場所があるので、ここで失礼しますね〜」
「そうか。それじゃまた頼むよ」
「はい〜」
こうしてシェロが帰った後も試食という名のティータイムは続く。
「塩気…サンドイッチとかか？」
「だが、騎空士ならもう少しボリュームのあるものもあるといいかもしれない」
「あぁ…なら、いっそステーキか…？」
「それでは夕食だろう」
「あぁぁぁ文句多い！」
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ミレン(プロフ) - こちらにコメントください！ぜひぜひお気軽に！！割と大真面目にお願いします（（ (2019年3月29日 16時) (
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月20日 23時
