【グラブル】二翼の絆 ―番外編＆後日譚― (ページ22)

今日:23 hit、昨日:1 hit、合計:13,634 hit

～珈琲とケーキと天司と８～ページ22

「これは私からのサービスで、皆さんの珈琲代は頂きません。あなた達は以前、ヴェインと一緒に手伝ってくださった騎空団の方達ですよね？」
「わぁ…いいんですか？」
「はい、ぜひ楽しんでいってください」

こうして店長であるジャックの粋な計らいによってAは紅茶と珈琲を選ぶこととなる。

「う～ん…どっちも珍しいし…メイグイファは僕もさすがにギャップダイナミクスまでは植物も管理できなかったし…でもコピ・レオルの動物の生み出す風味もまだ体験してないし…」
「もう知ってんじゃねぇか！」
「本当に詳しいんですね…」

真剣に悩むAを見かねたジャックは、両方を飲むことを勧める。Aもそれに甘え、カップを二つ用意されるのだった。

「まずは、コピ・レオルの珈琲です」

カップに注がれた珈琲は上質な香りを漂わせ、Aの顔は興味と好奇心に満ちるのであった。

「このバニラみたいな香り…これはいい」

満足したように微笑むA。その後、運ばれてきたメイグイファも花茶も満足げに飲み終わると、上機嫌で席を立つ。

「ジャックとやら、ありがとう。お陰で人の子の底力を今一度確認することができた」
「は、はぁ…よくわからないですけど、よかったです。よかったら、また来てくださいね」
「あぁ、必ず」
「ははっ、Aのやつ、まだ顔が緩んでやがるぜ！」
「う、うるさいな…」

口では反論しつつ、Aは笑った口元を隠すこともなく、店を後にする。その姿を眺める、一人の影。

「…笑えてるみたいで、よかったよ」

一行はグランサイファーに戻ると、さっそくケーキの試作をするというAの試食を手伝いする事となる。Aは喫茶の服装に着替えると、先ほどの粉を確認するのだった。

「ねえ、何を作るの？」
「さっき、精霊のアイスを食べただろ？あれのアレンジで、ドリンクを一つ。あとはメイグイファを使ったムースかな」
「はわ…でも、材料はどうしたんですか？」
「それはご心配なく～」
「シェロさん！？」

突然現れたシェロに驚く。

「実はですね～、Aさんから私に材料の依頼がありまして～、今届けさせてもらいました～」
「さすがよろず屋だな。シェロも遠慮なく時間があるなら待っててほしい」
「では～お言葉に甘えて～」

Aはシェロから受け取った材料を手に調理室へと入っていくのだった。