Episode127 ページ28
サンダルフォンへ向けられた剣は振り下ろされる直前でグランによってはじかれる。
「ほう?」
「特異点達…!」
「間に合ったぜ!いったん体勢を整えるぞ!」
「ふたりともこっちです!他の皆がいる場所と離させます!」
グランは、なんとかルシファーの攻撃を凌いで時間を稼ぐ。その間にサンダルフォンは傍で倒れていたAを抱えてルリアの元へと急ぐ。グランとルシファーは、その間睨み合ったまま対峙する。
「はぁ…はぁ…」
「Aもサンダルフォンも酷ぇ傷だぜ…ガンバレ、再生するまでの辛抱だ」
「手当も効果ありますよね…?シェロさんの薬箱を使いましょう」
「…うっ…」
「Aさん!?」
「おい、大丈夫か!?」
ルリアが傷口を消毒した痛みで、目を覚ますA。うっすらと目を開け、状況を把握すると、ゆっくりと起き上がり、ルシファーと対峙する。
「待って!その傷じゃ…」
「わかってる…サンダルフォン、お前の思う最善を尽くせ。僕はお前の部下だろう?」
Aは、サンダルフォンに頷く。意を決してサンダルフォンはグランへと思っていることを話す。
「…特異点…正直に俺の見解を話そう。ルシファーの力は圧倒的だ。創世以来の全存在を超越するだろう。君等は…脱出する方法を探せ。空に戻り、連合と奴の対策を練るんだ」
「戻って対策だって…?墜落まで時間はほとんどねぇんだぞ?」
「あぁ…だがなりゆきによる予備の計画だ。不測の事態が起きる可能性もある」
「でも『君等は脱出』…?まさかサンダルフォンさんは…」
「いや、Aも一緒だ。俺達は時間を稼ごう。研究馬鹿の興味を煽り立ててね」
「はぁ!?ボロボロの癖に何を言ってんだよ!」
「だ、駄目ですよ!またおふたりでなんでも抱え込んで!」
「それが空を守る僕達の役目だ」
「なんとかなるさ。捨て駒にも意地はある。どのみち俺達は約束の後は――」
「撤退か?まずまず合理的ではある」
「…!」
ルシファーは、サンダルフォンの行動を分析し始める。
「力の尽きた不用品を置き、四大天司に状況を伝える。奴等の判断は自己犠牲だろう。二十四のコアが自爆を成せば、境界の崩壊は回避できる可能性はある。俺に迫る存在は完全に潰えるがな」
ルシファーの的確な推理に、グランは唇を噛み締める。
「う、うるせえ!誰が撤退なんかするもんか!」
「誰も犠牲になんかさせない…あなたも"終末"も私達が止めます!」
「最悪の愚作だ」
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ミレン(プロフ) - かなとさん» すみません、確認不足でした。ご指摘ありがとうございます! (2019年3月13日 21時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月13日 20時) (レス) id: 9e9dee48da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月13日 19時