Episode102 ページ3
「…Aさん?」
ミカエルを止めようとするルリアを制止する。
「お、おい…!なんでアズラエルに剣を…!?」
「…」
「一人で…やる必要はないんだぞ、ミカエル」
苦し気な顔をするミカエル。だが、断固として他人にはやらせまいと意思が見える。
「サンダルフォン。ここは妾が対処する。特異点達と頂に向かえ」
「…上官の責務か?」
「半ば私情だ。他の誰にも討たせてなるものか」
「…わかった」
「サンダルフォンさん!」
「クソぅ…でもオイラ達も急がねぇと…」
「…」
尚もその場でミカエルを止めようとするルリアに、Aは向き直る。
「アズラエルはもう、虚無に侵食されてる。苦しく怖い思いを二千年もしてきたんだ。それを…ミカエルが助けるんだ。わかってくれ」
小さく頷くルリアの頭を撫で、サンダルフォンに頷きを返す。
「行こう。後はミカエルに任せるんだ」
サンダルフォンの一言で全員が頂へと続く階段を駆け上る。その背中を見て、ミカエルもまた静かに頷き、アズラエルと再び対峙する。
「アズラエル…伝わるかどうかわからぬが…貴様達には詫びる言葉もない。無能な上官で本当に情けない。まだ死んでやる訳にはいかぬが…貴様達の無念を妾の身に刻むといい」
「ギギギィ…?」
「何を躊躇する。状況が変わらぬ内に一太刀を放て。自己満足に過ぎぬが…その傷と共に妾は余生を生きよう」
「ギィアアアア!」
上官としての食材の念により、その一太刀を浴びようとする。しかし、それを止める者が現れる。
「駄目ぇぇぇ!」
「…ッ!?」
「きゃあ…!」
「ま〜ちゃん!?傷を見せて、急いで手当するよ!」
「うぅん、平気よ…ただの掠り傷だわ…ごめんなさい、ミカエル様…わざとアズを誘ってたんですね?かえって足を引っ張っちゃった」
「構わぬ、妾も軽率だった…だが貴様達、いつの間にここまで…」
ミカエルがわざと攻撃を受けようとしたことも双子は気づいていながら笑いかける。しかし、尚もアズラエルは苦し気な声を漏らしながら浮遊する。
「アズ…イスも聞こえてる…?わかったんだ…君達がずっと苦痛の中にいたこと。僕達にずっと会いたがってたこと。何千年も…時間なんて無意味なほど…なのに僕達は…!」
悔しさからハールートの目には涙があふれる。
「僕達は!君達が行方不明だって聞いたのに…探そうとも疑おうともしなかった!」
ハールートの号哭がパンデモニウムに響き渡る。
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ミレン(プロフ) - かなとさん» すみません、確認不足でした。ご指摘ありがとうございます! (2019年3月13日 21時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月13日 20時) (レス) id: 9e9dee48da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月13日 19時