Episode46 ページ9
「なぜ…なぜミザは俺の味方をしない！？お前を殺した奴に…どうして！」
アドバンの叫び声に呼応してか幽世の存在が現れる。Aが剣を抜くと、それをサンダルフォンとミカエルが制する。
「奴らは俺達で引き受ける。君はあの男を」
「…ありがとう」
虚無に飲み込まれ、自分を見失いかけているアドバンに改めて向き合う。そして、剣を掲げて宣言をする。
「天司の名のもとに、お前を倒す！」
Aが攻撃を仕掛け、アドバンはAに向けて攻撃を放つ。自らの力で相殺しつつ、Aは責める。虚無の力を膨大に持ち、破壊を司っているアドバンは、凄まじい破壊力でAを責めていく。
「あぁぁぁぁあああ！」
「目を覚ませ！虚無に飲まれてんじゃねぇよ！」
完全に自我の崩壊したアドバンに攻撃を当てていくA。憎しみや憎悪、悲しみのあふれだす空間に、Aは立ち向かっていく。
「ミザは！お前が生きることを望んだ！こんなこと、ミザは望んでない！」
Aの渾身の一撃はアドバンに確かなダメージを与える。
「目を、覚ま、せぇぇぇぇ！」
渾身の一撃が放たれようとした瞬間、Aは突然弾き飛ばされる。
「なっ…！？」
「Aさん！」
起き上がったAは、目の前の後継に絶句する。
「…幽世の力が、完全に侵食してる」
「え…？」
「アドバンの意思に呼応して幽世の連中が…アドバンに力を貸したんだ」
「そ、それじゃあアドバンさんは…」
「もう…戻れない」
Aの言葉にルリアは言葉を失う。そしてAはもう一度剣を握ると、再び向き合う。
「どうして…こんなにも誰かを考えてるのに…どうして…！」
「今は悲しんでる時じゃない。君に何かあれば、Aは気にするだろう。今は、立つんだ」
「…サン、ダルフォンサン…私、聞こえるんです。ミザリアさんの声が！もう、やめてって…止めてって声が！」
「あ、おい！」
ルリアは戦闘の中へと走っていく。突然の事でサンダルフォンは遅れて追いかけるが、Aとアドバンは気づかずに攻撃を続ける。
「A、とまれ！」
「…！？」
ルリアの存在に気が付いたAの手が止まる。
「ルリア…ッ！？」
「Aさん！」
ルリアに気を取られたAの腹にアドバンの剣が突き刺さる。崩れ落ちるAを反射的にルリアは駆け寄る。
「来るな…！」
「いやです！！だって、こんなにもみなさん苦しんでるのに！」
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年4月7日 14時
