Episode69 ページ32
『どうでもいいわ…続きを話せ』
「…で、その災厄の際、サンダルフォンはルシフェル様のコアに吸収されたのち、セラフィムにコアを移された。そして数年たったのち、かつて断罪されたルシファーの配下が再び暗躍を企て、その際、星の民の男が虚無の力を用いてルシフェル様を殺害した」
『なるほど…赤き地平に由来する力ならば不滅を滅するか。混沌とはまたおもしろい』
「…そして、特異点がサンダルフォンを顕現させ、サンダルフォンが天司長の力を継承、そしてルシファーの遺産であるアバターを特異点と協力してサンダルフォンと四大天司で倒す。その際、星の民の男と配下の堕天司を逃がすけど、しばらくたったのち、ここパンデモニウムで見つかる。そこで終末と呼ばれる計画を実行する。結果的に星の民と堕天司はもともと利用しあっていただけで、お互いに決裂。配下の堕天司はルシフェル様の身体を使ってルシファーを復活、星の民の男はルシファーに腹を貫かれ、瀕死のところをここパンデモニウムにて幽閉。ルシファーはエテメンアンキに行き、パンデモニウムに落とそうとするが、特異点によって阻止。預言者なる男が堕天司とルシファーを次元の狭間に封じた。どうだ？理解したか？」
『ふん…長いわ』
「短くまとめた方だ。で、何がわかった」
Aの話を考えこむアスタロト。
『もう既におらぬ敵の事はどうでもいい。新たな天司長も未だ未熟…現在の最高戦力は幽世、アバター、そして天司の力を有するA…というところか。新たな天司長よ』
「…なんだ」
『そのようなひ弱な力、ルシフェルに及ばぬと思え。我が復活したとしたらば、貴様など造作もない』
「…ッ」
サンダルフォンの顔が悔しそうにゆがむ。Aは無言で剣を突きつけるが、アスタロトは笑みを崩さない。
『完璧なる存在では成せぬ事もあると知れ。それは、Aも同じ事。今や世界の脅威足りえる力を持つAでさえルシフェルを超えるには足りない』
アスタロトは一度言葉を切ると、Aのつきつける剣を眺める。
『…足りないのは、信頼だ。かつて何度も言ったが、時に仲間を頼り、信じる時こそ力は生まれる。忘れるな』
「アスタロト…！」
『ふん…この程度しか顕現できぬか』
「…アスタロト、もし助けると言ったらどうする」
『決まっているだろう。天司を全て葬るまでだ』
そう言い残し、アスタロトは消失するのだった。その様子をただただ二人は眺めるしかできなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：御煉 | 作成日時：2019年4月7日 14時
