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〜つながり5〜 ページ49

「考えてもみろ、A…君が愛してやまないルシフェルとサンディは、逆にキミを気にかけている。四大天司でさえ、キミは信頼されている。当然、溢れるほどの力にはファーさんも魅力を感じていた。誰もが愛するキミをオレが愛さないわけがないだろう?」
「誰もが愛したからと言って、愛しているとは限らない。逆に、愛されていないからと言って、誰からも愛されないわけじゃない」
「なら、俺をもう少し愛してくれてもいいんじゃないか?」
「よその女に散々構っておいて、何を今さら」

侮蔑をたたえた笑みに、ベリアルは口角を上げる。

「女ねぇ…キミが気にするぐらいにオレは見られていたのか。なんだ、達しそうだ」
「…これのどこが」

呆れたAだったが、それ以上の言葉は噤む。これ以上の言葉は狡知を司っているだけあってベリアルには戯言にしかならない。

「キミが感情の制御ができないのは、ファーさんのせいだ。サンディを殺しかけた際、キミは無意識に自らの衝動を抑え込むようになった」
「あ…?逆だろ、それじゃ」
「フフ…だがキミは、そのあふれ出る感情を制御する事さえも出来なかった。つまりは、無意識に積もったものが溢れている状態だ。キミのその異常な力も、それに由来する」
「…なるほど、僕が扱いきれていないのか」
「素直だねぇ…オレはキミを改造したが、別にそれ以上はしていない。むしろオレの仲間になってほしかったが…」
「ふん…誰が」

腕に巻き付けた鎖を軽く揺らす。

「独占欲かい?」
「いいや、破壊衝動を押さえつけているに過ぎない」
「あんまりここにいるとファーさんが拗ねちゃいそうだ」
「ならさっさと帰れ」
「クク…A」
「…?」

ベリアルに名を呼ばれ、首をかしげる。しばらく真剣に見ていたベリアルだったが、突如Aの鎖を思い切り引っ張るとAを手繰り寄せる。

「あまり気を抜かない方がいい」
「んのっ!離せ!」
「…ルシフェルは、キミとサンディに差はない、と言ったが…あのルシフェルが世界を滅ぼす力を持つ可能性を排除しない理由はない。その点、サンディもAも、どちらにも差はない」
「…は?」
「ルシフェルは平等に愛していたが、他の何よりキミたちとの珈琲を楽しんでいたという事だ」
「…」

ベリアルに抱き寄せられていることを忘れ、考え込む。不意に顔を上げると、ベリアルの顔が近づいていることに気が付くのだった。

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ミレン(プロフ) - 名無しさん» 完全趣味作品にコメントありがとうございます!できうる限りリクも受け付けてるのでお気軽に! (2019年5月18日 20時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです更新頑張ってください (2019年5月18日 12時) (レス) id: af5f93c29d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2019年4月5日 23時

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