〜つながり4〜 ページ48
「ところでサンディは元気かい?」
「相変わらず」
「そうか…で?彼との初体験はどうだった」
「そんな関係に見えてたのか、意外だな。狡知たるもの、審美眼はマシだと思ってたんだが」
「なんだ、キミはルシフェルが好きだったのかい?」
「…ルシフェル様をそういう目でみたことはない。当然、サンダルフォンも」
「へぇ…?キミはずいぶんと初心なようだ」
「2000年超えて生きてるやつに初心とは言わない」
Aは相手にしないかのように、息を吐き捨てる。改めて周りを見回すと、突然背後に感触をかんじる。
「なんだよ、触れたのか」
「触れないなんて言ってないだろう?」
「いい加減にしろ、気色悪い…」
手で振り払おうとすると、その腕をつかまれる。咄嗟に剣を抜こうとしたAは動きを止められる。
「てめっ…!
「その剣で俺を貫いたところで…キミは後悔しかしないぞ?」
「なん…だと?」
「先ほどまでの穏やかな態度と打って変わって凶暴だ…まぁオレもキミのそういうとこがそそられるんだが、少々キミは自分の事を知らなさすぎる」
「…」
小さな違和感が突如確信へと変わる。そして剣を持つ手を離すと、ベリアルを静かに睨み付ける。
「そうだな。余裕がなくなるのは僕の悪いクセだ。僕自身、確かに知らないことが多い。そして、この激情が何なのかも知らない」
「フフフ…」
ベリアルは更にAに手をかけようとする、だが、その手は動かすことができない。
「だけどな、ベリアル」
Aの背が突如神々しく輝く。気づいた時にはベリアルの腕には鎖が巻き付いている。
「何もせず食われるだけの、獣ではないと知れ…僕は天司長の補佐で、この空の安寧と蒼を守る者だ。もう二度と、あんなヘマはしない」
「…いいねぇ」
ベリアルはAから離れると表情を変えぬままAを見つめる。
「オレがどうしてキミに細工をしたか、気になったことは?」
「どうせ気まぐれだと思ってた」
「まぁ、それも一理ある…だが、オレの本当の目的は別にある」
「別…」
「オレは…たった一人の女を愛でてみたかったのさ」
「…は?」
ベリアルの言葉に、とたんにAの表情は脱力する。しかしベリアルはいたってまじめな表情でAを見る。
「ルシファーにあれだけデレデレで何を言う」
「ファーさんももちろん大好きさ。だが、キミの境遇はオレにとって愛でるべきもの以外、何物でもなかった…何より、顔が好みだ」
「…口ではいくらでも言えるな、狡知」
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ミレン(プロフ) - 名無しさん» 完全趣味作品にコメントありがとうございます!できうる限りリクも受け付けてるのでお気軽に! (2019年5月18日 20時) (レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです更新頑張ってください (2019年5月18日 12時) (レス) id: af5f93c29d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年4月5日 23時