〜アイルスト騎士団強化計画17〜 ページ28
「ヘルエス様、ここにいた男どもは無事鎮圧しました」
「御苦労さまです。Aさんが見つけてくださいました。貴方達も巡回の範囲を拡大して見回りを強化してください」
「わかりました」
「ち…ちくしょぉ！」
「…！？」
声のした方へと振り返ると、隠し持っていた小刀をヘルエスに向かって放つ男。完全にうろを突かれた騎士とヘルエスは動けずにいる。ヘルエスは思わず目を閉じ、来るべき痛みを待つ。
「―――ッ？」
来るべき痛みが来ず、恐る恐る目を開ける。
「気を抜くなよヘルエス。ああいう人間は最後まで何するかわからないぞ」
「Aさん…」
Aが間に割って入り、その手には男の放った小刀が握られる。そしてAの周りには無数の光の剣が浮遊していた。
「よほど痛い目にあいたいらしい。お望み通り味合わせてやる」
男にめがけ、光の剣を放つA。とっさにヘルエスはAを止めようとして、その剣に実体がないことに気が付く。
「安心しろよ。あの訓練の時に使った痛みだけ与える剣だ」
「さすがです。また助けられてしまいましたね」
「まあ及第点じゃない？ここまでやれればいいだろうさ。後は、守られるべき存在が自覚するとか」
「ふふ…肝に銘じておきます」
「さて、と…ん？」
目を周りに向けるといつの間にか観衆が集まる。Aの視線に気が付いた観衆は目を輝かせる。
「て、天司様だ！」
「本物の天司様だ！」
「あのミカエル様のお仲間なんでしょう？」
「やはりすごいなぁ、天司様は」
口々に賞賛され。初めて自分が派手に街を通過していたことに気が付く。
「こりゃ…僕も自覚が足りないようだ」
「では、Aさん」
「ん？」
「城に戻りましょう」
「この慣習を見て…か」
「もういまさらですよ。いっそ、民にAさんのお姿を見せてください」
「ま、こんなに褒められて悪い気はしないからね。サービスさせていただくよ」
Aは小刀を真上に投げると、その小型に向けて光の玉を打つ。小さな爆発が起こり、空は一瞬七色に輝く。上に目を奪われている間にAの羽は極彩色をまとうのだった。
「うわぁ！七色の天司さんだ！」
「きれー！」
「そんじゃ、城で待ってるよヘルエス」
「はい、また後程」
Aは羽を羽ばたかせると、上昇する。そして上空で停止すると、その手には魔道弓が握られる。
「今夜は星がきれいですねっと」
薄暗い夜空をAの魔道弓が流れ星かの如く駆け抜けるのだった。
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ミレン(プロフ) - 名無しさん» 完全趣味作品にコメントありがとうございます！できうる限りリクも受け付けてるのでお気軽に！ (2019年5月18日 20時) (
レス) id: 093f8fec1a (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続きが楽しみです更新頑張ってください (2019年5月18日 12時) (レス) id: af5f93c29d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年4月5日 23時
