Episode37 ページ50
「俺ならば、自分を突き落とした男が死に、後継がいるのなら復讐を企てる」
「だからこそ、ルシファーが下らない…か」
「でも、アバドンは役割もあって信頼もあったのでは?」
「…それは、たぶん僕とは違う孤独だろうな」
Aは思い出すようにつぶやく。Aの頭の中は、かつてともにすごした研究室を思い出す。
「アバドンは破壊を司る。けど、破壊を司ろうとも使われることはなかった…自分は力を持っているのに使われることがない…それは言い換えれば自分の力を否定されていると思ったんだ」
「そんなことを…」
「しかし、いくら否定されてると思ったって、あそこまで憎むか?」
「…いや、おそらく死にたかったんだと思う。ルシフェル様の手で。だからこそ、ルシフェル様が死んだことに腹を立てている…そう感じた」
Aの話でサンダルフォンの表情が重く沈んでいく。ミカエルがサンダルフォンの肩に手を置く。
「貴様が起こした災厄は許されないが、ルシフェル様を殺めたのは貴様ではない。それを忘れるな」
「…ああ」
「それで…どうするんだ?」
「とりあえず見分けがつかないのは厳しいわね…」
「あ、そういえば…」
Aがふと立ち上がると、突然黒色の女性が姿を現す。
「な、なんだ?そいつは…」
「僕の使徒だ」
「な…いつの間に」
「いや…造った」
Aの使徒は、首をかしげてAを見る。
「A、この方々は?」
「四大天司だ。ルーク、挨拶を」
ルークと呼ばれた女性は頭を下げる。
「Aの使徒のルークです。お見知りおきを」
「…呼び捨て…?」
「…どうにも、生意気だ」
「あなたに言われたくない」
「…ルーク、頼みたい事がある」
咳ばらいをしつつルークに向き合う。
「ルークは主に闇だ。より純粋な闇であればあるほど力を発揮する。ちなみに光はリランがいるんだが…今はザンクティンゼルで見張りをしてる」
「…で、頼みは?」
「下位天司を率いて各地情報伝達を頼みたい。その指揮をしてほしい」
「わかった。リランにはどう伝える?」
「退屈してるころだろうな。交代して来い…」
「わかった」
一通りのやり取りを終えると、ルークはすぐに姿を消す。まもなく現れたのは白色の男だった。
「で、こっちがリランだ」
「初めまして。天司長、四大天司様」
「あら…」
「こっちはまじめだ。リラン、御苦労。団長に挨拶して来い。ついでにルークの分も」
「わかりました」
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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時