Episode9 ページ22
天司の総攻撃に男は次第に押されてゆく。
「いける!」
ハールートが剣を片手に切りかかる。
「やぁぁぁっ!」
そして男の頭上から切りかかり、倒したかと思えた。しかし、男は黒い靄となり消滅する。
「…倒した…のか?」
呆気にとられるミカエル。険しい顔で周囲を睨み続けるA。
「…ッ!」
突如、空間に向かって閃光を穿つA。何もないかと思われたそこには、黒いマントを被った男が浮かぶのだった。
「…さっきのは偽物だ。おそらく、襲ってきてるヤツらは実態がない。倒してもキリがない…ッ!」
「しかし…それではどうしろと…」
サンダルフォンの顔にも焦りの色が浮かぶ。総攻撃でようやく撃破した敵が無限に出てくるのは頂けない。
「…もう一つ、こいつはもっと強いぞ。まだこいつ程度なら気配を探れる。僕を襲ったヤツは…もっと得体が知れない化け物だった」
「…それで、逃げるしかないと?」
サンダルフォンの言葉にAの口元が弧を描く。
「まさか。この空にいる連中で、そんなこと許す奴いねぇよ。サンダルフォン、少しの間任せてもいいか」
「あ、あぁ…君はどうするんだ」
「あいつらを封印する。パンデモニウムにサンダルフォンを封印したように…いや、ベルゼバブを封印したように、な」
「なるほど。それはいい」
サンダルフォンが戦いの指揮を執り、Aはその間に魔方陣を描く。
「全員離れろ!」
Aの声を合図に一斉に散る。そして、Aの魔力によって縛り付けると魔法陣から延びる鎖によって捕縛される。そのまま陣の中に引きずり込まれる男に、とどめとばかりにAは攻撃を仕掛けるのだった。
「二度とでてくんなよ、偽物!」
ようやく脅威の去った一行は、船の上に集まる。
「偽物、ってどういうことだ?」
「あれは、おそらく幻影か何かだ。あいつ自身からは幽世の気配は感じない」
「なら…もっと危ないのが出てくるってこと?」
「そういうことだ」
団員も合流して話し合いが始まる。
「なら…あれか?そのアンフェルって奴を倒せば終わるのか?」
「ま、そういうことだ」
ラカムの言葉にAはうなずく。そこえちょうど、フェードラッヘから戻ってきた四騎士が合流する。
「おかえりなさい!」
「あぁ、ただいま。団長、それに皆、聞いてほしいことがあるんだ」
ランスロットの言葉に、全員が注目する。
「もしかしたら、敵の居場所がわかったかもしれない」
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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時