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Episode17 ページ30

自国を守るように戻っていった騎士の顔が浮かぶ。

「今回白竜の騎士はおそらく全部偽物だ。僕が気づかないのも迂闊だったけど…あの4人は全部。いや、もっと言えば…操られている」
「け、けどよぅ…あの兄ちゃん達がそう簡単にやられるか…?」
「それは僕も思った…それで、探った結果わかったのは二人の人物の行方がわからなかった」

Aはその人物の名をあげると、4人の顔に怒りが帯びる。

「ひっでぇ…なんて卑怯な奴らだ!」
「国王と兄を人質に…確かに、あの3人は騙される。けど、ジークフリートはそんな簡単には引っかからないと思うけど…」
「だから、もっと簡単に人質を取ったんだ。あの3人を…つまり、国王と氷皇を人質に取ることで3人を人質に取り、そしてこれらの人物が人質となれば大国が滅ぶ危機だ」
「ってぇことは、フェードラッヘ全土が捕まったってことか?」
「そうだ。おそらくあの爆破も見せしめだ。幽世の軍勢程度なら今は持つ。けど、仲間がすり替わっていったらまずい…仲間内で疑心暗鬼になんてなったら、崩壊する…二度と戻らない傷になる」
「それは…それだけはさせてはいけません!」

ルリアの声に全員がうなずく。グランは絞ったタオルをAにさしだす。

「すごく汗かいてる。焦る前に落ち着かないと」
「…ありがとう」

タオルを受け取ったAは顔や首周りをふく。その間に珈琲セットの準備をすると、サンダルフォンに珈琲を頼む。

「なぜ今だ…?」
「落ち着かないと。僕達が焦ったら、せっかく気づいたのにやられちゃう」
「…なるほど」

サンダルフォンは慣れた手つきで珈琲を淹れていく。体をふき終わったAはルリアにタオルを渡すと、ちょうど珈琲が抽出し終わる。

「どうぞ」
「ありがとう…」

受け取ったカップを両手で持つと、動かなくなるA。

「…どうしたんですか?」
「…なんだか、ひどい顔してるなぁって」

珈琲に映るAの顔はよどんでおり、醜い。何か自分が失敗をする時は常に醜い顔であり、そして感情に任せて突っ込んでいた。

「…落ち着く、ってのは僕の事だったのか」
「うん。ずっと顔が引きつって…なんだか全部背負って見えたから」
「ごめん…ありがとう。目が覚めたよ。頂きます」

珈琲を飲むと、Aの表情が変わる。戦う、強い意志が宿る顔に。

「僕が言うことをきちんと頭に入れてほしい。この話は、一切誰にも言わないように」
「…!はい!」
「任せろ!」

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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時

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