〜四騎士と天司11〜 ページ11
勝機を取り戻した女は、状況の説明を受けると、心当たりがあるようで驚くことはなかった。
「それで…私がAさんを殴ってしまったんですね…」
女の言葉からは嘘は見えず、Aが目線で手を離せとサンダルフォンに合図する。しぶしぶサンダルフォンが腕を話すと女はランスロットのほうへ振り替える。
「私、昨日黒い服を着た女に話しかけられて…ストレスを晴らしたいか、って…それで、私最近恋人にフられたばっかで…つい話を聞いたら、そこから記憶がなくて…でも、そのついていった場所は覚えてます!」
「信じられるか」
パーシヴァルが女に詰めよろうとするのをAが制す。
「案内してくれ」
「…待って、あなたは怪我をして…」
「しらじらしい、お前のせいだろ」
「おいパーシヴァル。今僕が目の前で術を解いたのを忘れたのか!?」
Aに睨まれ、黙る。
「ランスロットと僕で行くよ。悪いけど、一時的に店をお願いしていいかな」
「あぁ、かまわないが…怪我は大丈夫か」
「あぁ、とっくに」
手当てした個所のガーゼを外すと、すでに完治していた。その様子をみたジークフリートは立ち上がると、パーシヴァルとヴェインを呼ぶ。
「さぁ、手伝いと行こうか」
「おいジークフリート…」
「確かに、パーさんの言う通りだぜ…!」
「だが、ここで騒ぎを大きくすればジャックにも迷惑がかかる。だからランスロットを選んだのだろう。いざとなればAが本気を出すだけの話だ」
「…」
ジークフリートの言葉に渋々二人は従うが、サンダルフォンはなおも不服というように睨む。
「…A」
「なんだ」
「自分の身を優先で行動しろ。君がいなくては困る」
「…了解」
それだけ言うとAはサンダルフォンに背を向け、ランスロット、女のとともに出ていく。その様子を見送ったサンダルフォンは、ため息を吐く。
「本当に、俺の周りは他人のことばかり思いやってばかりだ」
「はは!まぁランちゃんも似たとこあるからなぁ」
「さあ、ジャックが困ってるだろう。パーシヴァル、ヴェインいこうか」
「あいよ!」
「はぁ…」
裏口から出たA達は女の案内で街を歩く。途中、店の恰好では目立つと、普段の格好に着替えたA。
「あら、あなたもイケメンなのね」
「…はぁ」
「どうして貴方は戦おうと?騎士団の出身じゃないのよね?」
「僕か…尊敬する方の役に立ちたかったんだよ」
「あら、それなのに騎士じゃないの?」
「ま、そうだね」
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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時