97 ページ47
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「A、今日はどこか行く用事はあるのか」
『いえ、特に用事もないのでブラブラしようかなって思ってます』
支度を終えて部屋から出たところで、燃えるような甲冑を身につけたパーシヴァルさんに声をかけられて振り返る。
『パーシヴァルさんは任務を？』
私の問いにパーシヴァルさんは短く否定した。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「昨日街を見てるとお前が気に入りそうな茶葉を並べた露店があったからな」
『本当ですか！結構種類並んでました！？お店はどの辺にあったんですか！？』
ずいっと身を乗り出す私に思わず仰け反るパーシヴァルさんは少し待っていろと自室に入って、割とすぐに戻って来てくれた。その腰には愛剣がさがっている。
どういうことなのかわからずパーシヴァルさんを見上げると、腕を組んだパーシヴァルさんが鼻を鳴らして悠然と口を開いた。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「また迷って昨日のように時間に遅れては困るからな、俺が案内してやろう」
『な、昨日は大事な用事(主に忘れ物のせい)で遅れただけで迷ってたわけじゃないですー！』
でも実のところ知らない場所を1人で歩くのはとても不安で、それにまた私を狙ってる人たちがいたらと思うとパーシヴァルさんがいてくれるだけで百人力だ。ありがたく道案内をお願いして、私たちは甲板を降りたのだった。
目的の茶屋へ行って、あれやこれや試飲しまくって茶葉を買いあさって満足した私をみたパーシヴァルさんは「選ぶときは慎重なのに買うときはまるで大富豪だな」と貴族の自分はそっちのけで言っていた。
ちなみにビィくんが求めているリンゴの茶葉はこのお店にはないようだったのでまた別の停留先での楽しみにしておくことにした。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「A、買い物は満足したか」
『はい！結局お茶屋さんだけでなくいろんなお店を紹介してもらっちゃいましたね』
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「元々俺が誘ったのだから気にするな。それに案内先が茶屋一軒だけなのは格好がつかないしな」
なんだかエスコートがすごく上手だよなぁパーシヴァルさん。
私に自由に歩かせているようで、まるで何度もその店に通った常連さんかのようにお店の紹介は流暢だった。
でも、どうしても気になることがあった。
『あの、どうして今日甲冑なんですか…？』
ピタリとパーシヴァルさんは足を止める。急に黙り込んだパーシヴァルさんの張り詰めたオーラに、思わず息を飲んだのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きりにあ(プロフ) - 花簪さん» 花簪さんコメントありがとうございます！四騎士最高ですよね！私のキャパが足りないので4人からハーレムとかは書けないのが悔しいですが、亀ながらに更新頑張ります！読んでいただき感謝です！ (2018年7月17日 0時) (
レス) id: a8216c96e8 (このIDを非表示/違反報告)
花簪(プロフ) - ランスロットとパーシヴァルが居て本当に嬉しいです！主人公の設定も凄く良くて面白いです！更新是非頑張って下さい！応援してます！ (2018年4月15日 22時) (レス) id: eb9e166c49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きりにあ | 作成日時：2017年9月4日 0時
