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「魔物の群れが近づいてるぞ！」
不意に聞こえた見張り台からの声に考えるのをやめて空の先を見ると、黒い靄が近づいてきてるのが見えた。
ど、どうしよう…、何か武器になる薬は…！
『少ししかないし、船の上じゃ風に流されちゃう…！』
戦いは出来ないけど、出来ることをすると決めたから絶対に部屋に逃げたりしない。迷ってる間に魔物はもう目の前まで来ていて、でもその短い間に甲板には数人が武器を構えて立っている。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「A、何をしている」
『パーシヴァルさん…！』
部屋着のままのパーシヴァルさんは私を背に庇って魔物をけん制する。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「普通は部屋に戻るところだぞ」
『パーシヴァルさんに出来ることをしろと教えてもらいましたから！でも必要なさそうですね…』
甲板の強い風やその風に乗って勢いをつけて向かってくる魔物たちなどに臆せずそれぞれが着々と始末していく。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「そのようだな。この船にはお前以上に戦いに慣れた者がいる。闇雲に参戦して怪我をされては迷惑になる」
『そうですね……、少し焦っちゃったみたいです』
パーシヴァルさんの言葉が気持ちを落ち着かせてくれるようだ。
私は私が出来ることを、とパーシヴァルさんは言ってくれたけど、出来ない事の中にまでそれを探してしまってはいけないよね…。
自分が戦えない人間だと言うのが分かっているのに、この間みたいに何か出来るはずと安易に考えていた自分を情けなく思ってしまう。
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「…A、治療はできるのか？」
『え？あ、治療は簡単なものだったら…』
ﾊﾟ-ｼｳﾞｧﾙ「戦う者がいると言うことはその分怪我人も多い。血が苦手ではないなら簡単な治療から初めてみたらどうだ」
回復の術師も薬剤に詳しい者もいるから学んでみろ、とパーシヴァルさんは部屋へと戻っていってしまった。
『パーシヴァルさんって、本当に親切だなぁ…』
本人を目の前にして言ってしまうと王に必要な資質だと返されそうなので背中を見送ってから漏らしたのだった。
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きりにあ(プロフ) - 花簪さん» 花簪さんコメントありがとうございます！四騎士最高ですよね！私のキャパが足りないので4人からハーレムとかは書けないのが悔しいですが、亀ながらに更新頑張ります！読んでいただき感謝です！ (2018年7月17日 0時) (
レス) id: a8216c96e8 (このIDを非表示/違反報告)
花簪(プロフ) - ランスロットとパーシヴァルが居て本当に嬉しいです！主人公の設定も凄く良くて面白いです！更新是非頑張って下さい！応援してます！ (2018年4月15日 22時) (レス) id: eb9e166c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりにあ | 作成日時：2017年9月4日 0時
