Episode42 ページ43
視界が暗黒に染まり、サンダルフォンは高速で回避を図る。
≪オオオォォォ！≫
「チィッ…ルシファーの遺産か…！ヤツは？ベリアルはどこに消えた？黒き光に巻き込まれたか、あるいは……」
≪オオオォォォ！≫
「貴様も、あの二人組も忌々しい過去の亡霊のようなもの。今のこの世界には不要な存在。約束したんだ。貴様を葬り、空の脅威を排除する事を。この六枚羽に懸けて…今、ここで終わらせてやる」
攻撃を繰り出そうと羽を広げると、何者かが前を横切る。
「なっ…A…？」
「はぁぁぁああ！」
黒き怪物―――アバターに向かい、斬撃を繰り出す。不意打ちのようで、黒き怪物は体制を崩す。
「A！！」
「…サンダルフォン…？」
互いに目線が交差し、沈黙が流れる。だが、その隙を狙ってアバターは攻撃をAに繰り出す。
「があっ！？」
「A！」
落下するAに追いつき、抱きかかえる。
「ありがとう…ってぇ」
「無茶をしてくれるな。俺がやる、お前は下がっていろ」
「ヘッ…お断りだ」
「その怪我で―――」
「その使い慣れてない力で、単騎で突っ込むのかよ」
「…ッ」
「だけど、助かった…次は、一緒にいくぞ」
「…あぁ」
アバターと対峙し、見据える。なおも破壊の限りを尽くすアバターに、二人は総攻撃を仕掛ける。さすがのアバターも天司長の力を引き継いだサンダルフォンと、強大な闇の元素には抗えず、徐々にアバターを押し返していく。
「次で、決める！パラダイス・ロスト！」
「負の遺産なんか、もう十分なんだよ！ツリー・オブ・セフィロス！！」
白と黒、二色の光線がアバターを貫き、破壊していく。圧倒的な威力にアバターは致命傷を負う。しかし、サンダルフォンは力が尽きてしまい、落下する。
「ウッ！？」
「なっ、サンダルフォン！！」
手を伸ばし、サンダルフォンの体をつかむと同時にAの羽も消失する。
「お前は、何しに手を伸ばした…」
「とっさ…かな。それに…」
真下にはグランサイファーが滑り込んできており、なんとか船に着地する。
「よっと…！ギリギリ間に合ったぜ！」
「む…？まさか、君達…」
「おうよ！船首も船底もガタガタいってるぜ。あんまり無茶させるなってよ！」
「はは…助かったよ、星の獣の船、か…ありがとな、グランサイファー」
感謝の念を込めてそっと触れる。心なしか喜んでいるようだった。
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月3日 20時
