Episode15 ページ16
アウギュステについた一行はついて早々にユーリという帝国から離れた少年から、オイゲンが病院に運ばれたという知らせを聞きつけ、かけつけていた。
｢A、少し話をよいか｣
｢あ、あぁ。特異点たちは先にいっててくれ｣
｢お、おう…？」
ミカエルに呼び止められ、二人きりになると突然４枚の羽を差し出す。
｢ルシフェル様が…?｣
｢違う。妾の判断だ。この羽を貴様に返す。此度の犯人は天司で間違いないだろう。貴様と共闘したとき、気を失ったお前をやつは殺すわけでもなく連れ去ろうとした｣
｢…僕を｣
｢ならば、貴様も危険ということだ。特異点と共に戦い、あやつを倒せ｣
｢…ミカエル｣
ミカエルは、すがるように目を見る。それに答えるように羽を受けとる。
｢任せろ｣
中にはいると、看護師と団員が祠について話し合っていた。
(ったく…遊んでる場合かよ)
看護師に向かいミカエルが話しかける。そして、Aの顔を見て苦笑いをする。
｢あなたもいたの…A｣
｢ミカエルの命でね。ガブリエル、場所を移そう｣
黒衣の男を警戒し、場所を写す。さまざまな推測をたて、今後の方針を決める。その途中、創生神話と鳴動の話を聞いたルリアは、自らを責め、一行から離脱してしまう。ルリアを追って街に戻ると、異様な気配がたちこめていた。
｢それで、あなたは正体がわかっているの？｣
｢…正直、とっくに｣
｢そう…｣
｢チィッ…抜かったな。ここまで接近されておったか｣
｢ううん…既に私達の感知｣領域を超えているわ。本当に四大天司を凌駕しちゃったのね｣
｢貴様は身を隠せ。水の羽も奪われれば天司長でも勝てぬ。……この世界は終わる｣
｢ありがとう。お言葉に甘えたいところだけど…ちょっぴり、遅かったみたいよ｣
ガブリエルの視線の先には黒衣の男が立っていた。
｢御機嫌よう。一緒に珈琲でもどうだい？｣
｢…ッ！｣
｢悪いけど遠慮するわ。貴方のような男は趣味じゃないの｣
｢未だ顕現もせぬ男に立てる操もないだろう？｣
｢……あぁ…………やっぱり｣
｢ん………お前、Aか｣
｢下衆が…神を気取って審判の真似事か？｣
｢空も星も、支配者に値しないのでね｣
｢っ………！｣
｢いい加減、正体を明かしたら？概ね検討はついてるけどね。貴方は研究所に籠っていたーーー｣
｢篭る？…軟禁だよ、ただの。話せてよかった。出来る限りの、スピーディーに終わらせよう｣
｢…させないっ…そんなことは！｣
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月3日 20時
