Episode46 ページ47
Aによって上空から放たれた白と黒の二対の光は、やがて分岐し、アバターを捉える檻となる。圧倒的な力に、アバターは身動きが取れず、暴れるほかない。
「…ぐっ」
「急げ、サンダルフォン！このままじゃAがもたない！」
「あぁ！…ここで終わらせてやる！審判の鐘を響かせよう、アイン・ソフ・オウルッ！！」
サンダルフォンの放った強い光はアバターを貫き、地の底へと鎮めることに成功する。
「や、やったのか…？」
「あぁ…どうやら、そのようだ」
「はぁ〜…疲れちゃったわ…」
「フフッ、イオちゃんがんばったものね」
口々に喜び合う。船にAとサンダルフォンが戻るころには気流も安定する。
「終わったのか、本当に」
「…わからない」
「うん？何やってんだ二人とも、空の底なんか見てよ」
「あの、一緒に休憩しませんか？珈琲じゃなくてお水ですけど…」
「俺はいい。ただ、気になるんだ」
「…なんか…おかしい」
「ヤツの再生能力は常軌を逸して―――…！」
「…ックソ！」
二人同時に羽が顕現する。何事かと空の底にかけよる。見るまでもなく、先ほど倒したはずの化け物は再度グランたちの前に現れる。
「嘘だろ…！まだ生きてるってのかよ！？」
「どうする…！だがここでやらなければ…！」
「クソ、無限のコアか…いいだろう、無限に破壊してやる―――」
「なるほど。単純だが、良い案だ」
「なっ…」
「間に合った…ミカエル！」
突如現れたミカエルによりアバターは一撃を与えられる。それに続き、四大天司がそろう。
「ミカエルさん！？他の天司さんたちも…！」
「ふぅ…良かった、間に合ったみたいね」
「やれやれ、ここは俺らにとっちゃ不利な地なんだけどな…ただ見てるわけにもいかねぇだろ」
「……」
それぞれがそろい、アバターを睨み付ける。
「皆様…！いらして下さったのですね！」
「ご苦労だった、二人とも。エーテルの安定と天国の門の崩壊で、カナンまで直行する事が出来たのだ。ずいぶんとAが暴れてくれたみたいだしな」
「ですが、天司長様は…」
「わかっているわ…でも今は目の前の事に集中しましょう？」
「…どうするつもりだ？」
サンダルフォンの存在、天司長の羽にミカエルは一瞬顔を強張らせる。しかし、すぐに表情を戻すと笑みを浮かべ宣言する。
「サンダルフォン…どうするも何もない。貴様が先刻、宣言したとおりだ……無限に破壊するぞ！」
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月3日 20時
