Episode2 ページ3
「―――――い、おい!」
「ん…?お前たちは…」
「はーよかったぜ、姉ちゃん!おいらたちが通りがかったらいきなり倒れてんだもんな」
「倒れて…いっ!?」
「おいおい、あんた怪我してんじゃねぇか」
「…赤き竜、蒼の…少女?」
「え?た、確かにビィさんは自称は竜ですが…」
「おい、ルリア、そりゃひどいぜ…」
ワイワイと話す人間。ふと、少女の傍らにいる少年に声をかける。
「君がこの集まりのリーダーか?」
「こいつは、団長だぜ!おいらたちは騎空団なんだぜ。こいつがどうかしたか?」
「頼みがあるんだ。少しの間、旅に同行させてほしい。帰りたい場所があるんだが、その手立てがなくなったんだ」
「…あの、あなたもしかして…星晶獣ですか?」
「んなっ!?」
「離れるんだ、ルリア!」
「へぇ、驚いた。僕の気配がわかるんだ」
警戒をあらわにした一向に、Aはため息を吐く。
「君は獣を使役する力があるみたいだね。安心してよ。今の僕には残念ながら力も何もない。そのうち力は戻ると思うけどね。さっき、雲が一気に晴れたのは僕の力だ。あと…こんなこと、今言うことじゃないが、僕も顕現して間もないんだ…眠くなってきた」
「あ、ちょっと!?あなたの名前は?」
「僕?Aだよ。どうやら仲間になるのは厳しそうだ。またどこかで会えるといいね」
「なら、うちの船で寝なよ!」
「…は?正気か?」
「ちょ、グラン!何を君は…」
「はっはっは!いいじゃねぇか。俺はお前を信じるぜ、団長。仲間も多いに越したことはないだろう?」
「ラカムまで…」
「じゃあ。お邪魔させてもらおうか」
こうして、グランの仲間になった。
「あと、一つ覚えておいてほしい。傷が治ったら僕は立ち去らせてもらうよ。任務の途中なんだ」
「そうなんですか…」
食事は、カタリナという騎士が用意すると言い出したが出てきたものは奇妙なものだった。
「あ、姐さん…こりゃあちょっと」
「人間は、こういうのを食べるのか?」
「か、カタリナ!みんな今はおなかすいてないって!」
「…そうなのか?蒼の少女。なら僕がみんな食べるよ」
「え?あ、Aさん!」
口に運ぶのをルリアとグランが恐る恐る見守る。咀嚼し、飲み込む。
「うん、人間の食事といった感じだな」
「よ、よかったぁ」
「すべていただいても?」
「あ、あぁ」
物の数分で片づけ、夕飯はAが作ることになった。
「…なぁ、団長。みんなを集めてはもらえないか?」
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月3日 20時