４−４ ページ19
机に手をつきながらずいっと私の方に顔をちかづけるチーノさん。
そんなふうには、見えなかった。
だってさっきまでもほかの人たちと一緒に笑いあっていたし、能力のせいで困っているふうには、全く。
「Aさんの能力聞いたから言っとくと、俺のは【目が合った人間を石化させる】、そういう能力や。やから、底が厚い瓶底メガネをかけて皆さんと目が合わんようにしとるんや」
チーノさんが眼鏡をカツカツと指で叩きながら言った。
その眼鏡にはそういう理由があったのか。
「信じてくれてるか分からへんけど、まあいつかわかるやろ」
そこまで言うと彼は再度席に座り「俺の方が弱そうはないやろ？」とさっき言われたことを引きずっている様子だった。
「まあ、Aの能力も聞けたことやし。解散にしよか」
トントンさんが急に立ち上がって言った。
それと同時に皆さんが「りょうかーい」と言いながら各々立ちあがる。
「あ、忘れてた。コネシマはAに色々教えたれ」
「え、俺ぇ？」
「あぁ、お前だ」
「んー。」
どうやら私に反論の余地はないようだ。
仕方なく、「A、行くで」と言われてスタスタと彼の後ろをついていった。
＿＿＿
「教えたれ言われてもなぁ…なにを…」
さっきからブツブツと何か呟いているコネシマさん。
一言も喋ることなく歩いていると、後ろで足音が聞こえてきた。
それに気づいた私は、相手に気づかれないように振り返ることなくコネシマさんに少し近づく。
『後ろ、誰ですか』
ぼそっと呟くと、彼はちらっと私の方を向いて「どうせショッピくんや。気にすんな」と軽い口調で言ってきた。
そうか。別に変な人でもないのか。
さっきより幾分安心してまたコネシマさんから距離を置くと、後ろの足音がだんだん近づいてきた。
「コネシマさんたち。どこに行くんすか」
やはりこの声、ショッピさんだ。
さすがコネシマさんとでも言うべきか。足音のみで判断するとは。
「いや、今俺も考えとってん。どこに連れていくのがベストなんやろか」
「Aさん。部屋、あるんすか？」
ショッピさんに言われて気づく。
…ない。
ここに来てから医療室と食堂にしか行ってなかったため、部屋の存在など知らなかった。
「その様子やと、ないなぁ…トントン言わんかったんか？」
コクリと頷くと、コネシマさんは「ちょ、待って」といって耳に手を当ててなにやら話し始めた。
トントンさんに聞いてくれているのだろうか。
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雅空(プロフ) - 海さん» めちゃくちゃ遅い返信になりましたが…(汗)ありがとうございます！貴方のコメントを胸に頑張ります＼( 'ω')／ｳｵｵｫ！ (2020年1月29日 21時) (
レス) id: b3698bc5f5 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 更新頑張ってください！めっちゃ好みです！！！ (2019年12月25日 12時) (レス) id: b2f70beae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆雅空☆ | 作成日時：2019年10月1日 22時
