３−３ ページ13
＿あんたに私の何がわかる
そうだ。
グルッペン･フューラーが言う通り、今の私の生きる価値は【孤児院を燃やした奴に復讐すること】だ
それを成し遂げるために生きてきたと言っても過言ではない。
そいつのせいで孤児院が燃え
そいつのせいで私の育ての親が亡くなり
そいつのせいで私にとって1番大切だった兄も。
恨みしかなかった
ただ、覚えているのはそいつは5人組で孤児院に来ていて、どこかの国の軍服を着ていたということだけ。
私は異能力者のため、様々な国にとらえられ、利用されてきた。
だがそれを逆に利用して、私が覚えている軍服を探した。
けど、未だに見つかってない
だから私はまだ探さなければならない
育ての親を殺したやつを
兄と私の関係を引き裂いたやつを
『…私が逃げたい理由が分かってるなら、逃がしてくれませんか？』
グルッペン･フューラーに対する怒りを堪えつつ、私は言葉を絞り出した。
しっかりと、彼の淡い赤色の瞳を見つめて。
「それはできない」
『なんで…？』
私なんかをこの城においておく理由がない。
やっぱりこいつらも能力狙いなのか？
中庭の方からさす夕日の光を反射してグルッペン･フューラーの金髪がキラキラと輝く。
それに気づいた時、彼がゆっくりと口を開いた。
「お前の孤児院を燃やしたやつだが
俺は正体を知っている」
私は驚きで目を丸くした。
今まで死にものぐるいで探してきたやつを見つけられるかもしれない。
そう考えると興奮した。
胸が高鳴って呼吸が荒くなる
＿早く知りたい
そいつが苦しんでいる姿を見たい。
期待の眼差しでグルッペン･フューラーを見つめる。
それを見て満足したのか、彼はニヤリと口の両端を広げた。
「そいつは、この我々国幹部の中にいる」
『…っ！』
なぜ教えてくれない。
なぜそんな曖昧なのか。
「グルッペン…っ！」
コネシマさんが慌てたようにグルッペン･フューラーの名を呼んだ。
なに？言ったらダメなことだったの？
数秒の沈黙が私たちの間に流れる。
聞こえてくるのは、風に揺られてさわさわと鳴る木の葉が揺れる音と、その木で鳴いているのであろう小鳥のさえずり、
そして、ここにいる人間の息遣いのみだった
その静寂を破ったグルッペン･フューラーの次の言葉にその場にいた全員が息を飲んだ。
･
「お前がここに残るのであれば、俺はお前にそいつを殺す許可を与える」
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雅空(プロフ) - 海さん» めちゃくちゃ遅い返信になりましたが…(汗)ありがとうございます！貴方のコメントを胸に頑張ります＼( 'ω')／ｳｵｵｫ！ (2020年1月29日 21時) (
レス) id: b3698bc5f5 (このIDを非表示/違反報告)
海 - 更新頑張ってください！めっちゃ好みです！！！ (2019年12月25日 12時) (レス) id: b2f70beae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆雅空☆ | 作成日時：2019年10月1日 22時
