36. …は？ ページ36
突き刺さったナイフを焦った様子で抜くと、さっさと部屋から逃げるように去ってしまった。
…今、何があった？
膝から崩れ落ちる。
首筋を伝う赤い血は嘘じゃなかった。
…僕には何かが足りない。
過去が無い。
過去を思い出す記憶の糸が足りない。
探せ。探れ。
なんでナイフの使い方なんて知ってるんだ。
いつどこで“勉強”した？
自分の細くて頼りない右手を見つめる。
こんなんじゃ、家族の記憶が残る唯一の我々国すら守れないじゃないか。
ら国の方が、現段階じゃ優勢じゃないか。
こんな僕を、ら国が狙うわけがない。
ならなんだ？
わからない……
つくづく自分は未熟だと思う。
ふー、と自分の息遣いが荒くなってきているのに今更気付く。
…落ち着け僕。取り乱すのは頭脳戦では確定で負ける。
ら国の目的はそもそも僕、であることは変わりない。
ら国が頭脳派なら、僕が向こうに誘拐されたとして、我々国の情報を吐かざる得ない状況を作る。
その状況、おそらくシャオロンさんや兄の葉月に関する事、もしくは僕が思い出せない過去を引き換えにするんだろう。
医療機関が発達しているのなら、僕がら国の医者になってしまう可能性だって出て来る。
…死なせたく無い。
今も我々国のどこかで生きている兄を。
唯一の友人のシャオロンさんも。
人一人守れなくてどうする。
僕は無能にはなりたく無いんだ。
取り敢えず応急処置として、首の傷の血を拭って汚れを拭く。
綺麗な状態で絆創膏を貼り付けると、ふと時計を見た。
AM 9：00
…ん？
そういえば用事があったような？
もう紙でぐちゃぐちゃになった机を見る。
昨日もらった予定表。
『……
月一の健康調査！』
10時から幹部の健康調査の手伝いの予定。
すっかり昨日の騒動で忘れていた。
行かなくては……
早く起きていて良かった。
早めに行ったほうが良いのだろうが、そういえば僕はまだ正式に総統に挨拶をしていない。
1時間あるのだ、20分ほどで済むだろう。
まだシワのない白衣を着て、ポッケに手を突っ込む。
…さぁ、
僕がそこまで好かない、
総統様のお出ましだ。
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鹿野ユズナ(プロフ) - まじっすか………まじっすか………むいちろ………(重症)更新……頑張ってください……原作追いついたら鬼滅の方も読ませていただきます…… (2019年10月27日 23時) (
レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 鹿野ユズナさん» あっ…、すみません…(震え声) 無一郎君は死ぬか鬼化するか意見分かれてます…、まぁ真っ二つになって腕切り離されたので多分…(あれ言ってて悲しくなってきたぞ) (2019年10月27日 22時) (レス) id: 9fbd88c114 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - ( 'ω')さん» わぁーあざますですーっ！作品！？作品が好きですか！？嬉しいです…頑張ります (2019年10月27日 22時) (レス) id: 9fbd88c114 (このIDを非表示/違反報告)
鹿野ユズナ(プロフ) - 鬼滅触れないように別界隈にいたのに唐突にネタバレされて死にました無一郎くん死んじゃうんですか？ (2019年10月27日 20時) (レス) id: f48090b258 (このIDを非表示/違反報告)
( 'ω') - 鬼滅の刃楽しみにしてますw 凛音さんの作品大好きです... (2019年10月27日 15時) (レス) id: 6eb96342e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛音 | 作成日時：2019年8月28日 15時
