真実の愛。【ONEPIECE】 (ページ9)

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記憶障害ページ9

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サボ「………なぁ、」

『ぁ、なに？』

サボ「思い出せなくて悪い。けど、なんかすげぇ大切なやつだった気がするんだ。初めてな感じがしねェ。」

『……！、ゆっくり思い出してくれればいいよ。』

彼は困ったような顔をしてそう言った。わたしの記憶なんて何もないのに大切な人だったことが分かってくれるだけで嬉しかった。心が温かくなった。

サボが……また、わたしを好きになってくれますように。今日は夜空が綺麗だったからそんな願い掛けをした。

『わたしのことはAって呼んで。サボはそう呼んでたから。』

サボ「わかった。なぁ、聞いてもいいか？」

『ん？』

サボ「おれってどんなやつだった？」

『どんなやつ……うーん。悪ガキだし、年下のくせに生意気だったけど、わたしにとっては世界一かっこいい男の子だったよ。』

何も考えずに、サボとの思い出をひとつひとつ思い出しながら言葉にすると、顔を真っ赤にさせた。

『もしかしてあんまり褒められ慣れてないの？』

サボ「からかうなよ……！！」

『ふふ、かわいい』

サボ「可愛くねェ！！」

それからどれくらい話しただろう。

わたしの親の話とか、ルフィとエースと一緒にいた時の話とか、街に出て窃盗や盗み食いをしてきたこととか、とにかくたくさん話した。

サボ「Aはおれと一緒にいて楽しかったか？」

『うん、すっごく楽しかったよ。』

いろんなことを聞かれたけど、わたしの左薬指についている指輪について言及されることはなかった。

『ねぇ、サボ』

サボ「ん？」

『サボはね、わたしにとって一番大切な人なんだよ。これだけは覚えてて。……いつか、思い出してね。わたしのこと。』

サボ「……あぁ。」

そんな顔させたいわけじゃなかった。困らせたかったんじゃないの。わたしのこと思い出してくれる日、くるのかな。一生記憶が戻らなかったりして。

これ以上ここにいると、サボと目を合わせると、泣いてしまいそうでこの部屋を後にした。

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