年下社長

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『…久しぶり剛典。』


「すっげぇ、会いたかった。」


『…隆二くん帰る！ごちそうさま！』


剛典くんの顔を見ないようお店を出て、走った。



なんで会っちゃうかな。


なんでこんなとこまで来てんの。


色んな感情が混ざり合って涙が溢れる。


すると後ろから手を引かれそのまま引き寄せられた。



『やめて、離して！！』


「離すと逃げるじゃん離さない。」


胸板を押して離れようとするけど、抱きしめたまま離してくれない。

『別れたでしょ！離して！』


「俺は納得してない！！」


剛典くんが声を荒げた。


「勝手に別れようって言われてささっと行っちゃうし、俺本当に！！」


『…ごめん。』


「連れ戻す事しか考えてないから。」


『…なんで？』


「なんでって、Aがいいからに決まってんだろ。なんで離れていくんだよ。」


『剛典くんはまだ若いんだから他にいい人がいっぱいいるでしょ？』


「そればっかりじゃん。Aは他の人のところに行って欲しいわけ？俺のこと嫌いなの？」


『…嫌いになりたかった。もう剛典くんのことなんて忘れたかった！！』


「…。」


『でも、できなかった…！！！』


また涙が止まらなくなる。


「振られてからAのこと嫌いになんてなってない。」


『…ばか。』


「バカなんだよ。それぐらい好きだから。」


ぎゅっと強く抱きしめられた。


「だから連れ戻しに来た。」


『…メソメソ男のくせに。』


「え！なんで知ってんの！」


『隆二くんから聞いた。」


「も〜！隆二さん！」


そう言いながらニコニコ笑う彼の笑顔をまた見ることができてすごく嬉しい。

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