私の、わんこ。 (( 岩田 剛典 ))

Episode 14 ページ14

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―――…
――…

しっかりと鍵を閉めて
すぐ近くにあるコンビニへ。


｢すぐ帰ってくるから、わんこに言わなくていいよね｣


コンビニに入ると先に見つけたのは
おでん、じゃなくて

ある男の人。


ゆっくりこっちに向かってくる人。


｢久しぶりじゃん！家ここの近くなの？｣


そう言う男の人は、私の元カレ。


別れた理由はもちろん、
良い理由なわけなく。


はあ、この人少しめんどくさいから
あまり会いたくなかった…


｢ん〜、まあそんな感じ？｣


一応言葉を濁しておく。


｢なんで疑問系なんだよ (笑) その格好見る限り仕事休み？暇だったらお前んちで久しぶりにお前と話したいかも｣



｢なんで私の家なの…｣


｢だって近いんだろ？いいじゃん｣


よくねーよ！！！

｢どーせ男いないんだろ？｣




｢いっ……｣




いないけど！って言おうとしたけど、
よく考えたら


浮かぶのはわんこの笑顔。


…いるっちゃあ、いるよね、あれは。


てか飼ってる…？



｢いるよ……｣


そしたら元カレは驚いた顔をして


｢は？絶対嘘だろ｣


｢いや、本当にいるっていうか…同棲してるし｣


めんどくさいから少し
話を盛って話してみる。



｢まじか…ふーーん………ま、じゃあ……また今度な｣



そう言って店から出ていった


またとかもうないし。

関わりたくないのに。




｢…………早く帰んなきゃ｣


なんとなく嫌な、
モヤモヤ〜っとした気持ちを
早くわんこの笑顔で癒されたくて

おでんと、わんこが必要なものも買って
家に帰った。

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