私の、わんこ。 (( 岩田 剛典 ))

Episode 1 ページ1

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１１月後半。


もうすぐ冬が来る季節。





｢あ〜〜もう、またクリスマス予定ないのか〜｣



なーんて居酒屋で一人寂しく

嘆いてるのは２３歳にして独身の私。



今までは周りの仲良かった友達が

寂しいときはずーっと

付き合ってくれていた。



だけど、もう今年からは違う。



何故か今年に入って一気に、
しかも私の周りの友達だけ
異様に彼氏ができるから。



なんなんだ。



なわけで一人仕事帰りの一杯を
呑みにきたわけです。




皆に彼氏ができて、

しかも結婚した子も、

更には子供を産んだ子もいて、




寂しさのあまり呑むスピードが

いつもより早いからか、

普段そこまで酔わないのに

今日はすごく酔いがまわるのが早い。



意識あるうちに帰んないと。

誰も迎えに来てくれる人いないから...




だけど意に反して少しずつ
飛んでいく意識。





｢ん〜………眠た……｣







『すみません、お隣、良いですか？』





声をかけられてハッと顔をあげると、


ん〜、知らないおじさん？





『…僕でよければお話聞きましょうか？』


何も言ってないのに

私が何か悩んでることあるって

分かるのかなあ、すごいなあ。



それからとにかく話相手が

欲しかった私は快くおじさんを

隣に座らせて、




だいぶ話してたと思う。多分。



しばらくしておじさんは
帰っていったみたい。



何か分からないけど

契約どーのこーので

サイン書かされた気がするような……







｢詐欺とかだったらどうしよ……｣



………覚えてないな。うん。



そういえば書きおわってから
おじさんが帰り際に



『これから寂しくない生活が待ってますよ』




そう言い残して
おじさんは去って行った。



だけど何の話の流れでサイン書いたのかは
覚えてないから

もう考えないでおこう。

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