# SWEET BOX × ３JSB

# NAOTO ページ29

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〈 直人side 〉



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「 直 … と、さん … 」


『 うん？ 』


「 ダメ、です … っ 」









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誰も居ない部屋に

彼女の、荒い息だけが響く。









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俺の胸板を弱々しく押して。






そんなAちゃんの指には

・・・ 光る、綺麗な指輪が一つ。









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＿＿＿ 故に、既婚者。






同じ部署の後輩だった彼女を

欲するのに、時間は かからなかった。









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「 あたし 、 」


『 なーに 』


「 ・・・ 結婚してるんですよ？ 」









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知ってるよ、そんなコト。









君がそれだけ

旦那の事を愛している、とか。









ランチの時間になれば

同僚と、旦那の話をして

顔を赤らめ … 照れてる、とか。









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「 だから … 『 でもさ 』



『 引き金 引いたの

Aちゃん … だよね？ 』









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そう言った俺を見て

彼女は きゅっ、と唇を噛んだ。









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飲み会で酔ったAちゃんを

介抱し、俺の家に招き入れた。









その瞬間。





彼女がシラフだったか

どうかまで、俺は知らないけれど。









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『 逃げる事も、拒む事も。

チャンスなら、いくらでもあったよ？ 』









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今だって、ほら。






「 だめ 」だと言いながら

小さな手が、俺のシャツを掴んでる。









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「 ・・・ っ 、 」


『 でも、君は今 此処に居る 』









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俯くAちゃんの顎を

くいっ、と持ち上げ

優しく … 唇にキスを落とす。









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脳裏に焼き付く、甘い声。









手を出したのは、俺なのに。






感覚が麻痺する程に

俺は、Aちゃんに夢中だ。









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『 もう、後戻りは出来ない 』









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出来やしないし

＿＿＿ させないけど … ね。









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