本編220(スパーダside) ページ25
ラッキーがお腹が減ったと言った。
これは僕のことを連れ出すための口実にすぎないのではないか?
でも、お腹を空かせている人をほおっておくことはできない。
悲しいさがだね。
それに料理をしない僕なんて存在する意味が無いから。
断って困らせたくなかったし。
「ごめんなー?寝てたのか?」
あー、ドアを開けるのが遅かったからか。
考え事してて気がつくのに時間がかかっただけだけどね。
「うとうとしててさーごめんね?」
「そうか!」
嬉しそうな顔。
僕が完全に寝ていた訳では無いと分かったからだろう。
「でもごめんな?本当はつくりたくないだろ?」
本当はつくりたくない?
…そうかもしれない。
出ていこうと考えていたしね。
いや、そんなことはない!
嫌だなんて言ったら…ラッキーはならいいと言うだろう。
ただでさえ役に立っていないのだから、迷惑だけはかけたくない…!
「そんなことないよ?明日の朝ごはんに出来るし。」
「そうか!楽しみだなー。スパーダの料理、美味しいからなー。」
嬉しい。
ほめてくれてる…。
「ありがとう。」
ラッキーが僕を連れ出すためというのは考えすぎだ。
ラッキーがうそをつくなんてことはない。
キッチンに着いた。
「座って待っててー。」
よし、美味しくつくるぞ。
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作者名:杏奈(仮名) | 作成日時:2017年7月15日 0時