本編209(バランスside) ページ14
窓から出ていくとか困るよ。
小太郎達のことを見つつ、ちゃんと廊下も見張ってたんだよ？
だから安心してなのに。
もう少しでナーガが戻ってきて、明るい話を聞けると思っていたのに。
まぁ…もっとちゃんと外の音とかに気を配れていたら気がつけていたのかもしれないけど…。
「バランス、見張っていたんじゃなかったのか？」
ナーガが睨んできた。
「ごめん…。」
うつむいてしまう。
本当にごめん、ナーガ。
ボクのせいで…。
「ナーガ、バランスを責めるな。」
ラッキーが諭すように言った。
怒っていないし、笑ってもいなかった。
真顔。
それが逆に怖い。
「俺が悪いんだ。」
え？
「俺がこんなだから…。」
落ち込んでいる…？
いや、ラッキーは悪くないですよー？
「いや、俺も悪いんだ。」
ナーガ？！
「俺はみんなには必要ないというスティンガーの言葉が気になって…スティンガーに言おうと思ったんだ。そんなことはないと。」
そーゆー事だったのか。
なら別にみんなで行けばよかったんじゃ…？
「恥ずかしかったんですね？」
ハズカシイ？
「ああ。」
スティンガーに自分の気持ちを伝えることが…？
「お前は必要だ。と言おうとしていた…。」
それはちょっと…事実だけど恥ずかしいかもな。
「それを言ったら私も悪いです。」
ラプター？
何も悪くないと思うけど。
「私は皆さんの精神状態の管理も任されているんです。それなのに…。」
ラプターはそんな事まで任されていたのか。
おもいっきり初耳だよ？
「すまない！ボクちんがもっとしっかり…」
司令まで謝り出した。
「僕なんか黙って見てるだけだった…。」
みんな謝りながら落ち込んでいる。
このままじゃダメだ。
「はいはーい！やめー！」
場違いな明るいこえを出した。
「誰が悪いとかそーゆーことを言っている場合じゃあない。これからの事が大切なんじゃないんですかー？」
我ながららしくないと思う。
こんなこと言うなんて。
でもみんなの顔が少し明るくなった。
本来ならラッキーがやるんだけどね…？
まあ、たまにはいいかもねー。
誰かのためにってのも。
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作者名：杏奈(仮名) | 作成日時：2017年7月15日 0時
