【キュウレンジャー】ラッキーの憂鬱 2 (ページ18)

今日:23 hit、昨日:0 hit、合計:16,450 hit

本編67(スパーダside) ページ18

ダイカーンなのに優しいジャークマター…ねぇ。

初めて会ったな。

嘘をついているようには見えないしなぁ。

「君はこれからどうしたいんだい？」

単刀直入に聞いた。

「ぼくは…死にたくないんです。でも、誰かを傷つけるのは嫌だ。どうすればいいのか分からなくて…。」

迷っているんだな。

どちらを選ぶか。

「そうなんだ。まぁ、誰だって生きてたいよね。君の優しさはよく分かった。」

「優しい…。幾度となく言われてきました。お前は優しすぎる。だから落ちこぼれなんだ！って…ぼくは優しいんでしょうか？」

優しい。

少なくとも今までのダイカーンよりは。

「優しいさ。」

そうこたえると、なぜか落ち込んだような顔になった。

「ラクくん。優しいことはダメな事じゃないんだよ。むしろいいこと。ジャークマターがおかしいんだよ。」

そっと肩の上に手をのせるハミィちゃん。

「でもぼくはジャークマター…。みなさんと同じじゃないから…処分される。死にたくない…死にたくないです…。」

かわいそうになってきたな。

なぜラクはジャークマターとして生まれてしまったのか。

どこかの他の生命として生まれてきていたら、どんなによかっただろうに。

「やめちゃえばいいじゃん。ジャークマターなんて。」

「やめても…スコルピオ様が来る…！」

処分と聞いてうすうす気がついてはいたのだが、やはりスコルピオが関わってくるか。

スティンガーがはきっとその事が分かっていたからラクに優しく(？)したのだろう。

そんな事を考えているとラクのお腹が鳴った。

「お腹空いたの？」

「恥ずかしながら…」

お腹を空かせている人をほおってはおけない。

「今つくるからちょっと待ってて。」

「いや、あの、そんな…。」

まだ遠慮してるのか。

「僕もちょうどお腹すいてきたところだったから。ついでに食べてよ。ね？」

「はい…！」

嬉しそうだ。

キッチンへと向かう。

こんなにいい子を怖がらせるなんて、あらためてジャークマターは最低だと思った。