おれんじ (ページ49)

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48 元日ページ49

『初日の出見逃したー！』

Aちゃんの大声で目が覚めた

時計を見てびっくり、もう13時前やん

「太陽そこおんで」

『地平線から出てくるとこが見たかった！』

「爆睡してたやん、てか起きて今昼過ぎって」

『このままやと寝正月なる〜』

そんな、まだ元旦終わったとこやのに

……ていうかAちゃん大事なこと忘れてへん？

「僕の実家に挨拶行かんの？」

『あっ……気が向いたら挨拶用のお菓子買いに行くわ』

「これは2月入るパターンやな」

気が向いたら、行けたら、

これを言う関西人は絶対動かん

ここテストに出ます

『就活もしなきゃ〜』

「バイトでええやろ」

『ローソンで働こかな』

「それは気まずすぎる」

僕が無理やり家に連れてきたようなもんやのに

そう簡単にヒモにはなってくれんらしい

「なんでそんなに働きたいん？」

『流星に申し訳ない気持ちが3割ある』

「……あとの7割は？」

『流星にサプライズでプレゼント用意できない』

「それなら毎月お小遣いあげるからそれで貯めて買えば？」

『流星にお小遣い貰う世界線が自分的に無理、

そこまで養われるなら首切る』

「急に怖いこと言うやん」

『とにかく！バイトするからお小遣いは無し、

いつから流星に生活費渡せるか分からんけど努力する』

「それも嬉しいけど……」

でもやっぱり、お金よりもAちゃんがいいな

「帰ってきた時にAちゃんおらんかったら寂しい」

『え』

「やから、ずっと家おって？(全力のあざとい顔)」

『……うん(照)』

「っしゃ！！！初めてあざとい効いた！！！」

『その一言で全てが台無し』

「ええねん、効いたって事実が大事」

『この私が流星のあざとさにやられる日が来るとはな〜』

「ラスボス倒したでぇ！」

『誰がポケモンやねん！』