おれんじ (ページ32)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:32,987 hit

31 事件の真実はページ32

Aside

ホテルに着くと大ちゃんがチェックインしてくれたので

私と流星は後から部屋に入った

「酔って僕の家に来た日、何があったん？」

『……ちょっと長くなるよ』

大「俺も一緒に聞いても大丈夫？」

『うん』

ベッド傍に、私を挟んで大ちゃんと流星が座った

『流星の家に行った日の朝ね、

家のポストに変な手紙が入ってたんよ』

・

手紙には色々書いてあったけど、要約すると

早く実家に帰ってこい、っていう内容だった

封筒にも便箋にも送り主の名前は無かったけど

多分、親から届いたんやと思った

週末やから仕事無いし行くか〜って思って行ったら、

家の前で、両親が血だらけで倒れてた

びっくりしてその場から動けずにいると

ご近所さんが通りかかって、両親と私を見て通報した

すぐにその場から逃げて、新幹線で東京に向かい

今朝見た光景を忘れようと居酒屋で呑みまくって

そしたら夜寝る場所が無いことに気づいて

流星には悪いなと思いながらも家に行った

私がシャワー浴びてる間に流星は寝落ちてて

起きるまでスマホを触っていたら

両親が死んだことがネットニュースに上がっていて

ご近所さんが私を目撃したから、疑われていることを知った

今帰ったら絶対捕まる……

どうしよう、と思っているとスマホが震えて

画面を見ると流星のママだった

流星ママ「ネットニュース見たけど、本当？」

『変な手紙が届いてて実家に行くように書いてあって

実家に行ったら、親が死んでた……』

流星ママ「犯人じゃないんやね？」

『うん、ご近所さんに見られたから疑われたんやと思う』

流星ママ「私はAちゃんのこと信じてるよ

でも、捕まるのも時間の問題やろうから

流星にはちゃんと伝えた方が良いと思う」

『分かった……』

流星に話すのは勇気がいることだったから

時間をかけて考えて、帰る直前に伝えた

兵庫に帰るとすぐ警察に拘束されて

私の顔写真がネットニュースに上がったらしい

ストレスでご飯なんて食べられなくて

自分でも分かるくらい体がやつれてきた頃

ようやく流星と流星のママと面会できた

しばらくしてから証拠不十分と分かり、解放された

・

『……まぁ、ざっくり言うとこんな感じ』