おれんじ (ページ12)

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11 おむかえページ12

久しぶりに実家に帰ってきて寝ようとしたら

ピロン、とスマホが鳴った

画面を見るとAちゃんから

『たすけて』とメールが届いてた、いや何事

急いでAちゃんに電話をかけようとしたところで

Aちゃんからの着信画面に切り替わった

「もしもし！？Aちゃん大丈夫！？」

『しぬ〜無理〜助けて〜』

「……え、Aちゃん？」

なんかいつもと声違うし

電話の奥で駅のアナウンスがかすかに聞こえる

「飲んだ？」

『ん……？いや、ねむたい』

「今どこにおるん？そろそろ終電やろ」

『そう！終電逃した！しぬ！助けて！』

「うっさ！」

いきなり電話の奥で叫ばれて

思わず耳からスマホを遠ざけた

声量バカかよ、謙杜ちゃうねんからやめてや……

『こないだ言ってた一人旅してきてんけどさぁ』

「あー、広島と長崎？」

『そうそう、かもめちゃん可愛かったー！って

思い出話を聞かせてあげるから、今から

新神戸駅まで迎えにきてそのままお家泊めて』

「ちょい待たんかい」

いくら終電逃したからって

東京住みの僕に助け求めんのおかしない？

えもしかして僕が一時的に帰省してんの知ってる？

『流星がいま実家におるんは把握済みやからな！断んなよ！』

「脅しやん、てかなんで」

『新幹線で寝落ちて気付いたら新神戸まで来てて

もう最寄りまでの終電無くなっててさー

流星のママにダメ元でお願いしたら今流星おるって聞いた』

はあ？外堀固められてるやん……嬉しいけど

ママ「りゅうちゃんいつAちゃん迎えに行くんー？

もうママ1人で迎えに行くけど」

「は！？まって今行くから！」

『やった〜』

1階からママが聞いてきたのに答えたら

Aちゃんにも聞こえていたようで

電話口から嬉しそうな声が聞こえてきた