あくまでも客室清掃員 (ページ2)

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セブンティーン？ページ2

あ、アイドル？未発表曲？
しかも"うちの"と言わなかった？

「挨拶が遅れたな。プレディスという事務所でセブンティーンのマネージャーをやっている者だ」

戸惑っている私に丁寧に名刺を渡しながら挨拶する男性、もとい、マネージャーさん。

「プレ…、セブン…？」

初めて聞く単語ばかりだ。

「知らないのか？」

「すみません…」

「いや謝ることはないよ。ただ、君は極秘の超重要な物を目にしてしまった。だからこのまま家に帰すわけにはいかない」

カメラでも仕掛けられてるのかと思うほど、ドラマとかでしか聞いたことのないようなセリフだ…。え、私死なないよね？

「君、名前と歳は？」

「七瀬Aです。23です」

聞かれるままに答えると少し顔が曇るマネージャーさん。
やばい、なんか変なこと言った？

「日本人か？大学生？」

あ、なんだ。名前に違和感を持っただけのようだ。

「はい、そうです」

ほっとしつつ頷くと、何やら考え始めたマネージャーさん。
少しの沈黙の後、私のここのホテルでのバイト歴や韓国語歴、就職先などについて質問されたので順に答えていった。

するとマネージャーさんは、

「うちで雇おう」

と言った。
彼が言うには、

企業秘密を知ってしまったのならうちの社員にしてしまった方が早い。
今後またいつ同じシチュエーションに出くわすかも分からないので未然に防ごうと、バイト歴もそこそこな私にセブンティーンのホテル宿泊時の清掃を任せたい。
清掃業務がない時は事務所で事務作業をしてもらいたい。
就職先が決まっていないなら高待遇、家具家電完備オートロックの社員寮があるうちに来るのはどうか。
というか普通に人手不足だからうち来て。

という内容だった。
いやもう企業秘密とか関係なくなってる。ただの求人。

悩んでいた就職活動がこれで終わると思えば私にとっては良いことしかないので雇っていただくことに。こうして私は"セブンティーン専属の客室清掃員"になったわけである。