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ジョシュアさん ページ10

「あ、ねえ名前は?何line?」

少し気まずく思っている私にお構いなく、上機嫌に聞いてくるジョシュアさん。

「七瀬Aです。96lineです」

「A…ちゃん?日本人なの?うわあ気づかなかった、韓国語上手だね。僕より上手いかも」

ははっ、なんて笑っている彼にお礼を言いながら私はふと時計を見て彼に尋ねる。

「あの、時間大丈夫ですか?そろそろ出発する…」

「あ!そうだった」

私の言葉を聞くなり立ち上がってドアの方へ向かおうとするが、こちらを振り返って近付いてきたかと思うと「ちょっとごめんね」と私のスマホを取って何やら操作している。

「はい。連絡先交換しておいたから。今日の夜空けといてね」

と、私へスマホを返してくる。
さらっとなんか言われたけど、え、なんて?
驚いて声も出ず、手を振って出ていくジョシュアさんを見つめることしかできなかった。

とりあえず手元のスマホを見てみると、『新しい友達』の欄に"ホン ジス"と表示されている。故意ではないとはいえ、繋がりを持ってしまったのだからこれがばれたら大変なことになる。でも実際私なんかに連絡が来るはずがないし、もし来たとしても返事をしなければそれですむのではないか。

そんな甘い考えはその日の夜、捨てることになる。

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作者名:曄雨 | 作成日時:2019年11月26日 4時

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