- lupus 3-

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”今日からここがあなたのお家”

事の始まりは俺が6歳の頃の話

火傷やアザでいっぱいの俺の手を引き

知らない女の人が俺に言ったこと


「………俺の…?」

こんな所は俺の家じゃない


「家に帰らなきゃ」

そう言っても何も言葉は返ってこなくて


”ここがあなたのお家”

それを繰り返された


「………はぁ」

荷物と俺を置き

すぐに車で行ってしまったその人とは

もう一生会うことはないだろうと

悟った


ガチャっ

俺は目の前にある建物のドアを開けた


「………お邪魔…します」

静かに呟きながら

ドアから覗いてみると

目の前のドアから

誰かがこちらを見ていた


「っ………!?」

?「あっ……ごめんっ!

ビックリさせちゃった……??」

と、焦り気味に飛び出してきたのは

女の子だった


?「今日新しく来るって子だよね?

ええっと…名前は……」

「祐基………」

?「祐基くん?うんうん、よろしくね!」

と、人懐っこい笑顔を向けてきた


?「私は、柚子っていうの!

ずーっとここにいるんだけどね……

今は私一人しか子供がいないから…

増えて嬉しいんだ…!!」

照れながら俺の手を取り


柚「今日から私と祐基くんは家族だよ!」

何て真っ直ぐな瞳で見つめてきた


「よ…よろしく」

さっきまでの帰らなきゃ行けないという

思いが一瞬で吹き飛ぶような気持ちだった


柚「中入ろ!!」

手を繋いでもらったのなんて

初めてだ


今まで腕や手首しか

掴まれたことが無かったから


こんな感触なんだ

温かいんだな

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