- lupus 3-

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柚「…祐基くんには家族がいたの?」

「うん」

次の日

俺は彼女からの質問に

淡々と答えた


柚「そうなんだ…何でここに来たかは…?」

「お父さんが
連れていかれちゃったから」

すると申し訳なさそうに俯いた


「大丈夫、何でも話す」

もう恐れることなんてないんだから

俺が連れ戻されることも

痛い思いをするのも

この火傷の後だって

時期に消えるはず

綺麗に何も無かったように


柚「…家族って…どういう感じなの…?」

恐る恐る聞いてきた


「…どうして…?」

この聞き方には少し違和感を感じた


柚「いや…やっぱり何でもない」

首を振って立ち上がろうとする


「……家族…いないの?」

すると動きが止まって

こちらをゆっくりと向いて

悲しげな顔をする


柚「…うん…私、生まれてから

ずっとここにいるから」

そんなことあるのか

と、幼い俺でも驚いた


少しも家族を経験したことがないなんて

でも俺も

その一例ではあったのかもしれない


今考えれば一般的な家族とは

かけ離れたものだった


だけどそうとは思っていなかった俺は


この子の最初の家族になろうと決めた

と言うよりは

家族というものを教えてあげよう

自分の思い描いていた、理想の家族を

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