- lupus 3-

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『ねえあの人誰??』

予想どうり次の日に

俺の浮気の演技を問いただされた

奇しくも今日は記念日の日


「あの人??あの人って??」

俺はわざとらしくしらばっくれるんだ


『昨日一緒にいた女の人...』

少し目線を外し唇を噛む彼女

その姿に

ごめんね、とまだ心の中で

呟いてしまう俺がいる


『あの人に抱きしめられてたよね?』

さっきまで外していた目線を

また俺に戻し

切ない顔をする


「っ...ごめん...本当にごめん...」

ついに出てしまったこの言葉

俺は最悪なやつを演じるのに...

でもそう言うと

どんどん曇った表情になる


『私何かした...?』

それは絶対にないんだ

そう思って首を横に振ってしまう


「お前に...飽きた...」

あぁ、言った...言ってしまった

もうダメだ戻れない


『...そっか...じゃあ...』

”別れよう”

この言葉がとてつもない恐怖に

俺を陥れた


「ごめんな...本当にごめん...」

涙腺がおかしくなったのか

涙が止まらなくなる

でもAも、涙を堪えきれなくて

ボロボロ涙をこぼしていた

だけどそれを拭いてはあげられない

そしてもう守ってあげられない

さようなら

俺の一番愛しい人

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