【イナGO】Alice is a thing of this small castle (ページ20)

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20話【手】ページ20

「･･･ふぅん。」

「･･･何よ」

「ん、じゃあ話す。後戻りはもう、できない･･･。」

怪しく笑って話し出す。

「お前は、館が変だとか思わなかった？

　あの館は･･･変人の集まりだよ。
　というか何かコンプレックスの持っている奴の集まり」

「コンプレックス？」

「だからお前が見ているこの夢の中で、そいつらのコンプレックスを･･･

解決してほしい。」

「･･･解決。」

「アイツらはそのコンプレックスを解決したら苦しみから解放される･･･。

　ようするにその全員分を解決したらお前は館から出られる。」

「館からでられる？･･･私は別にでなくてもいいけど。」

「･･･ふぅーん、そ。でもまぁいつか出たくなる時があるさ。」

その人は椅子から立った。

「んで、お前は出たくなくても。今の話を聞いたから助けないとダメなわけ。

　わかった？」

「･･･うん、わかった。
　まぁどっちみち館の人たちが幸せになれるんだよね？

　ならやるわよ。
　私は何より大切な人の幸せを望んでるし。」

「･･･ほー、どうやらやる気みたいだな。」
「えぇ。勿論よ。」

「･･･よし、んじゃ。A。お前をこれから」

A･･･？誰のこと？

「Aって？誰のこと。」

「･･･おっと･･･。えーと、この夢でのお前の名前。とでも言っておこうか。

　俺が呼ぶだけだから気にすんじゃねーぞ。」

「･･･え、でもアリスがいいな。というか夢の中での名前とかいらないじゃない
　私は大切にしてるのよ？アリスの名前･･･。」

「ん、この世界の決まり。夢の中での名前はあるもんなの。」

「･･･ってことは、あなたもあるの？まだ名前聞いてないし･･･。」

「まーあるよ。この際だから教えてやろうか。

　ペトスって名前なんだ。」

「･･･へぇ、ペトス。まぁ･･･よろしく？」

「あぁ。よろしく。A」

手を出されたので握り返す。

･･･やっぱり、アリスで呼ばれるほうがいいんだけど･･･。