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ロープウェイで山頂に到着。
空はすっかり真っ暗で、電灯すらないここでは、みんなの顔もよく見えない。


「わぁーーっ!」という黄色い声が聞こえて空を見上げるとそこには、すごい、とにかくすごい星空があった。
"綺麗"なんて言葉じゃ形容しきれない、無数の星と丸い月。
今日は海、山、星、月を見たけど、やはり自然の生み出す美しさには敵わないな。いつも感動させられる。




「A」

「キヨさんだ」

「なんだよ、さん付け気持ちわりぃ」

「女子に大人気のキヨさん」

「どうも」




182cmの横に並んでいると私の身長がさらに小さく見えている気がして、少し距離をとる。




「んだよ、そんなに俺が嫌かよ。女子に大人気のキヨさんだってのに」

「自分で言うのダサいよ」

「お前が言ったんじゃん」




いつも通りくだらない会話をしていると、冷たい風が吹いて私の髪を揺らした。
昼間はあんなに暑かったのに、やっぱり夜はまだ肌寒いな。厄介な季節。
私が身震いしている横で、薄着なのに寒くもなんともなさそうなキヨ。
やっぱ北海道の冬経験してる人は違うなぁ。




「お前、席外すっつってから全然帰ってこねぇしさ」

「律儀に待っててくれたんだ?」

「マシュマロ全部食ってやったわ」

「肉もマシュマロも、人の班のやつ全部食べてんじゃん。ひっどい」

「ちゃんと許可もらったし」

「姫鳴、やってんね」

「……てかさ、………お前あの時、どこでなにしてた?」




ザーッという波の音と牛沢くんとのやりとり、あの笑顔を思い出して、徐々に顔が熱くなってくる。




「友達ができた」

「はっ、友達?Aが?俺以外に?」

「だからキヨは友達じゃないけど」

「まさか、友達つくるってアレ本気だったわけ?」

「本気じゃなかったけど〜どうしても私と友達になりたかったらしくて〜仕方なく〜」

「いい、そういうのいいから、それ誰だよ」




牛沢くん。って言ったら驚くかな。
キヨは牛沢くんと仲が良いから、言えば牛沢くんのこといろいろ教えてくれそうだよね。


趣味は何なのか、得意な科目は何か、普段どんな曲を聴くのか、将来の夢とか、逆に過去の話とか……


知らないこと、聞きたいことがありすぎて、自分でも笑ってしまう。
牛沢くん、牛沢くんって、私の頭の中牛沢くんだらけじゃん。




「牛沢くん!」




これからの学校生活に期待を込めて、キヨの問いに私はそう答えた。







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設定タグ:実況者 , 牛沢,キヨ,TOP4 , レトルト,ガッチマン   
作品ジャンル:恋愛
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ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです!頑張ります!(^-^) (9月15日 1時) (レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです!頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゃゅ | 作成日時:2023年8月30日 0時

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