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「友達に、なって」
今までまともに友達づくりをした経験がない私には、この伝え方が精一杯だった。
お願い。なんでもいいから早く返事して……。
強く願いながらそっと目を開けると、牛沢くんは手で顔を覆いながら肩を揺らしていた。
「っぷはは、……ははははっ、」
「なっ、なによ、そんなにおかしい？」
「っはは、いやいや、堅いって」
「どこが」
「友達なろうとかわざわざ言うことじゃないっての！」
なんか私、馬鹿にされてる？
そう思うと急に怒りが湧いてきて、牛沢くんに向けていた視線を遠くの海に移した。
あーもう、ムカつく。
「そんなこと誰がいつ教えてくれるのよ」
友達になり方なんて今まで誰も教えてくれなかったじゃん。
だったらキミが責任もって教えてよ。
「たしかに、俺も教えてもらってないかも」
「でしょ？仕方ないじゃん」
「じゃあ、喋ってて面白い人はみんな友達…ってことでいいんじゃね？」
「んー………」
喋ってて面白い人……その基準、曖昧すぎない？
私はもっとこう、友達である確証が欲しい。
何回話したら友達だとか、二人で遊んだら友達だとか、そういう明確な基準があればなぁ。
「あれ、ピンときてない？」
「……うん」
「さっき俺爆笑してたじゃん」
「してたね」
「湊川さんが面白いなって、思ったんだよ」
「つまり？」
「俺らもう友達ってことでいいんじゃない？」
くしゃっと笑う牛沢くん。
自販機の前で見たあの笑顔とはまた違う、もっと心の底からの笑顔に見えた。
今度は気のせいじゃない。
私の胸がたしかにドクンと音を立てた。
でもまだ気のせいにしたかった。
だって私だけこんな気持ちにさせられてるのなんかムカつく。
「私は牛沢くんのこと面白いとか思ってないし」
「なにっ！？」
「だから私目線では牛沢くんはまだ友達でも何でもないってことだね」
「なんだと〜〜？」
さっきの笑顔から一変、眉間にシワを寄せる牛沢くん。
分かりやすく変化する表情が面白くて、つい笑ってしまった。
「あ、笑った。今笑った！」
「笑ってないよ」
「残念もう遅いですー、はい俺ら友達〜」
笑ってないと言いながらも彼の必死さについ笑ってしまう。
どうしよう、今この瞬間が一番楽しい気がする。
そんな気持ちすら素直に口には出せないけど私、
今牛沢くんと同じ海を見てる。
それだけで、少しだけ同じ気持ちになれた気がした。
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ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです！頑張ります！(^-^) (9月15日 1時) (
レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです！頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゃゅ | 作成日時：2023年8月30日 0時
