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文化祭前日、クラスメイトはは俺がデザインしたクラスTシャツを着て作業をしている。
俺は紙袋に入った数個の猫耳カチューシャを見て、あいつを思い浮かべる。


Aに絶対似合うんだよな、あいつほぼ猫だし。
楽しそうに写真を撮りあうメイド女子の集まりにAがいるわけもなくて。
全く、準備サボってどこで何してるんだ。サボってんのは俺もだけど。




「あれ、Aじゃん」



俺の思いが引き寄せたのか、目の前にはメイド姿のAがいた。
え、いや、なんでメイドなんだよ、Aメイド役じゃないよな。
まじでなんなんだ?俺の脳が機能しなくなるレベルには可愛い。




「なんでそんな格好してんの?」

「私もJKぽいことしてるのよ」

「らしくないな」

「うるさ。そんなことより……さ、牛沢くんってどこいるか分かる?」

「知らね、委員呼び出されてんじゃね?」

「だよね」

「……うっしーになんか用あんの」

「まぁ用っていうかー…、うんまぁそんな感じ…」




また"牛沢くん"。口を開けば牛沢くん。
もしかしてこのメイド姿を見せたいだとかそんな事か?
そんなん俺が許さないに決まってるけど。




「似合ってんじゃん」

「え?」

「可愛いって意味」

「あー、ありがとう」




きっとAの頭の中はうっしーばっかりで、俺の言う"可愛い"で得られる物なんて何もないんだろう。


そう、俺は最低なんだよ。
俺の方が先に出会ったしとか、俺の方がAのこと知ってるしとか、そんな考えでうっしーに挑もうとしている。


本当に彼女が好きなら彼女の背中を押すべきだなんて、そんなの誰かに言われなくても分かってるし。
俺の中で、もう答えは出てる。




「文化祭、誘ったらいーんじゃね?」

「え、誰を?」

「うっしー以外ねぇだろ」

「あー…ありだね。先約いなければいいけど」

「どうせいないだろ。いたとしてもAに誘われたら優先するに決まってし、なんならあっちから誘ってくるかもな!」

「えぇ……?」

「とりあえず、Aは心配する必要ないってことだよ!」




ヤケクソになって吐き捨てた言葉。
自分で自分の首を絞めたのは初めてだ。
もう二人が上手くいくのも時間の問題で、それと同時に俺の気持ちは半殺しにされてるようなもんだった。


くそ悔しいというのが正直な気持ち。
諦めたくない、自分で決めたことなのに納得できない。
そんな思いが俺の頭をいっぱいにした。







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設定タグ:実況者 , 牛沢,キヨ,TOP4 , レトルト,ガッチマン   
作品ジャンル:恋愛
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ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです!頑張ります!(^-^) (9月15日 1時) (レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです!頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゃゅ | 作成日時:2023年8月30日 0時

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