.31 ページ31
_____
「なんでバレてる……？」
頭に浮かんだ言葉が思わず口から漏れ出てしまった。
「やっぱり！そうやと思ったわ〜」
二人遅れて店に入るともう他のみんなは買う物を探しているようで、見当たらなかった。
牛沢くん、また女の子と喋ってるかな。
「俺なんか協力しよか！？なんなら今呼んで…」
「そういうのいいから！」
「え〜、せっかくやし喋ったらいいのに〜」
「うーん、私と喋ってくれるかな」
「どういうこと？二人結構仲良いやん！」
「そう思ってたよ。でも……牛沢くん、他の子とも仲良いし…」
私にとって牛沢くんは特別で、牛沢くんの良さに気づいてるのは私だけで、牛沢くんを一番知ってるのも私だと思ってた。
でも、そうだよね。
だって牛沢くんかっこいいし喋りやすいし、落ち着いてて大人っぽいし……みんな好きになっちゃうよね。
「たしかに。うっしーはモテてたな、中学の時から」
「えっ、それは聞きたくなかったかも」
「ごめんごめん、でも告白とかはされてなかったで。Aちゃんみたいな大人しい子に好かれてた」
「だから聞きたくないってば」
「大丈夫、うっしーは興味なさそうやったし！」
「それ私にも効くからやめてよ」
「あー、違う違う！Aちゃんは例外！」
「無理にフォローしなくていい」
「ほんまに！Aちゃん可愛いし、それに…なんか遊んだりしてるやろ！？知らんけど！」
「知らんけどってムカつくなぁ。たしかに花火は見に行ったけど」
「え！？なにそれ聞いてない！」
「牛沢くん言ってなかったの！？」
「二人、なーにサボってんの」
「うわぁびっくりした！うっしーこそどこ行ってたん！」
後ろから声をかけてきた牛沢くんは、少し怒ったような顔をしている。
買い出しなのに戦力外な私とレトルトに呆れているのだろう。ごめんなさい。
「暇なんだったらテーブルクロス買いに行ってください」
「めんどくさいなぁ〜」
「文化委員がそんなこと言うなよ」
「はいはい分かりました、行こうAちゃん！」
「あ、うん」
歩き出して3秒もしないうちに、「ちょっと待って」と牛沢くんが言った。
「俺も行く」
さっきまでめちゃくちゃ落ち込んでいたのに、たった五文字の言葉だけで忘れられるんだから、恋って単純だ。
_____
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです！頑張ります！(^-^) (9月15日 1時) (
レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです！頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゃゅ | 作成日時：2023年8月30日 0時
