.4 ページ4
_____
「Aもっと食べなよ？」
焼かれている肉をぼーっと見ていると姫鳴にそう言われたから、適当に野菜をお皿に乗せる。
それにしてもまだ5月なのにめちゃくちゃ暑い。
海岸でBBQって、いくら屋根があっても暑すぎる。
「てかなんか、違うくない！？」
「何がー？」
「もっとこう、交流したいじゃん！宿泊学習だよ？」
そんな会話を繰り広げる班の女の子たち。
「ちょっと男子とか呼んでくるね」と走っていく彼女は後ろ姿で分かるくらいウキウキで、私はこの緩い感じが落ち着くんだけどな、とまた焼かれている肉に目を移した。
「こっち牛タンまだまだあんじゃん！」
突然降ってきた声の主なんてその馬鹿でかい声ですぐに分かってしまう。
「キヨくん、食べていいよ〜」
「うっす、あざす」
姫鳴がそんなこと言うから、キヨは遠慮なく牛タンを網に乗せて焼き始める。
キヨがこっちに来ると必然的に人が寄ってきて、たちまち私たちの場所がうるさくなり、目立ち始めた。
あー、こういう感じ、すごく苦手だ。
ガヤガヤした雰囲気、それぞれが大きい声で会話をしていて、人が密集してるから心なしかさらに暑くて。
「A、つまんなそー」
「キヨが来たからね」
「ひっど、牛タン食い尽くしたのそんな嫌だった？」
「それはどうでもいいけど」
「まぁ楽しめよ、せっかくこんな日なんだから」
「……ちょっと席外す」
楽しめって言われても、人多いの苦手だからこんなんじゃ楽しめないし。
キヨが来たせいでこんな人多いのに、なんで心配されないといけないんだ。
ちょっとは自分が影響力あること自覚してほしい。
席外すなんて言ったけど特に行き場もなくて、とりあえず辺りを見渡すと友達と楽しそうに話してる牛沢くんを見つけた。
牛沢くん、牛沢くんは今日楽しめてる？
行きしなのバスでちょっと眠ってたよね。
別に見てたわけじゃないけど、たまたま見えただけなんだけど、気づいてた？
「牛沢くん」
_____
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 159人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゃゅ(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございますめっちゃ嬉しいです！頑張ります！(^-^) (9月15日 1時) (
レス) id: fbf309b419 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - めっちゃ好きです！頑張ってください (9月14日 21時) (レス) @page1 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゃゅ | 作成日時：2023年8月30日 0時
