死んで欲しくない人 ページ14
「あ？おめェ酒飲むのか？」
『勿論！これでも立派な大人ですから！』
酒をコップに注ぐ。
「俺ァ寝ろって言ったと思うんだがなァ？」
フランキーも座り込む。
『へへへ、お酒飲まないと眠れなくってさ〜』
フランキーは呆れ顔をする。
「まさか毎日じゃねェよなァ？」
『……毎日でーす……』
フランキーは深ぁいため息をつく。
「まさかガキの頃からやってる訳じゃあ…」
『ないない！さすがにそれは無い！』
コップに入れた酒を一気に飲む。
『エースが死んでからかなぁ？飲むようになったの。元々人の死にはあまり興味ないんだけど、エースは友達だったから、辛かったのかなぁ…お酒がないと眠れなくなっちゃったねぇ。それくらいしか思い当たらないや』
ヘラヘラと笑いながら再び酒をコップに注ぐ。
「おめェはまだ乗り越えられてねえって事か」
フランキーは月を見ながら言う。
『……そうだね。初めて出来た"死んで欲しくない人"だったからかなぁ、誰が死んでも悲しまないって思ってたのに………』
私でも変われるんだな、と思いつつお酒を飲む。
私の睡眠導入剤。
お酒を飲む手が進む。
「おいおい、ちっと飲みすぎなんじゃねぇか？」
フランキーに瓶を取られる。
『んな！？私のだぞ！とるな！』
瓶を指さして浮かして引き寄せる。
「あ！おい！」
フランキーに取られる前に瓶を掴んで抱きしめた。
『いひひひひ！私の勝ち〜！』
ニヤリと笑って瓶のまま一気に飲む。
「おいコラ！」
フランキーに瓶を奪い取られるも、中身は既に空っぽ。
「オメェ……」
ヘラヘラ笑って寝転がる。
『外で寝るのも悪くないねぇ』
程よく酔って月明かりに照らされる。
フランキーが何か言ってるが、眠気に襲われ目を瞑る。
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作者名：ぐろこ | 作成日時：2023年3月10日 2時
