14.かえり道 ページ14
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え?
「…え」
『聴いてくれたお礼』
えー!?!送ってくれるの!?
『嫌?』
「いえ、そんなことないです」
間髪入れずに返事をしたわたしに笑って、ギターを肩に提げ、早く来なよ、と急かす。
知らない道を、今知った人と並んで帰っている。
この変な感じ。
「実は、…」
さっき答え忘れていたことを話す。
進路のこと。やりたいこと。もっと先の将来のこと。
なぜだか分からないけど、言葉が口からポンポン出てきて、
相当溜まっていたみたいだ、わたし。
それとも、横にいるこの人が聞き上手なのか。
いつの間にか道も明るくなって、駅が見えた。
「すいません、わたしばっかりベラベラしゃべっちゃって」
『いーよ』
「わたし、星ヶ丘高校の二年、Aです」
『ダメでしょ。そんなにペラペラ個人情報漏らしたら』
「…すみません」
なぜかわたしを知ってほしくなった。
『もう遅いから、帰りな』
「はい…」
明るい蛍光灯に照らされて、はっきりと顔が見えた。
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Mare(プロフ) - とても心に残るようなお話で、とても面白かったです。更新停止されている様ですが、続きが気になってしまい、感想を書かせていただきました。無理なさらず、がんばってください! (2018年8月25日 23時) (レス) id: 4b7fd3f8d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽ。 | 作成日時:2018年3月7日 18時